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第22回委員会へ  
                      大学評価委員会(第23回)議事録
                                                                                
1 日  時  平成16年3月16日(火)15:00〜16:10

2 場  所  学術総合センター  1113・1114会議室

3 出 席 者  
 (委 員)  青山(善),阿部,岡澤,小野田,加藤,小林,佐藤,シェパード,
       清水,鈴木(清),鈴木(賢),田中,徳田,外村,西野,マルクス,
       山野井,山本,吉田の各委員
 (事務局) 木村機構長,荒船副機構長,福島副機構長,川口評価研究部長,
       栗城管理部長,馬場評価事業部長 他

4 前回の議事録の確認
 前回の議事録を確定版として配付した。

5 議  題
(1)平成14年度着手分の評価結果に対する対象機関からの意見申立てへの対応について
(2)平成14年度着手分の大学評価の評価結果について(オーバービューについて)
(3)大学評価事業の今後の在り方について

6 議  事
○委員長 ただいまから大学評価委員会を開催いたします。
 本日は議事次第にあるとおり,3つの議事についてご議論いただきたいと思います。
まず平成14年度着手分の評価結果に対する意見申立てへの対応について審議します。
評価結果を確定いただきたいと思います。次に,平成14年度着手の大学評価の評価結
果(オーバービューについて)ご議論いただくことになります。その後,大学評価事業
の今後の在り方について,ご意見を伺うことにしたいと思います。
 なお,大学評価委員会は,本日が最後の開催となります。議事に入る前に簡単ではあ
りますが,これまでの各委員の大学評価事業に対するご尽力に感謝申し上げます。

(1)平成14年度着手分の評価結果に対する対象機関からの意見申立てへの対応について
○委員長 それでは,議事に入らせていただきます。
 まず,平成14年度着手分の評価結果に対する対象機関からの意見申立ての対応につい
て,ご審議お願いしたいと思います。初めに事務局からご説明をお願いします。

● それでは,評価結果に対する対象機関からの意見の申立ての対応ということで,資料
2と資料3に沿いまして説明させていただきたいと思います。
 まず資料2「評価結果に対する意見の申立ての件数一覧」でございますが,1月の前回
委員会でお認めいただきました評価結果につきまして,各対象機関に送付し,その内容に
対する意見の申立てをお受けしたところ,全学テーマ別評価,それから分野別教育評価,
それから分野別研究評価の全体で49の組織から128件の申立てが来ております。参考
に平成12年度着手,平成13年度着手における数字を入れておりますけれども,今回最
も少ない件数となっております。
 次のページですが,意見申立てのあった対象機関の一覧でございます。ざっと見ていた
だきますと,申立て数が15件というように突出した大学があります。その内容は観点ご
との種々の水準を「相応」からすべて「優れている」に変更してほしいというようなこと
ですが,やはり変更するほどの実績がないということで,「相応」のままになっておりま
す。
 それから,次のページは3枚続いておりますけれども,意見の申立てを内容ごとに区分
したものでございます。全学テーマ別では観点ごとの判断の修正,それから観点ごとの活
動状況の内容の修正,あるいは水準自体の修正を求めるものも見受けられます。それから,
分野別教育評価及び研究評価におきましては,記述の削除を求めるもの,あるいは内容の
修正,それから水準の修正を求める意見も若干来ております。全体的に見ますと,評価項
目の水準の修正を求めるものはそれほど多いわけではないけれども,記述の内容について,
言葉が足りない,あるいは取り組みの内容が十分理解されていないのではないかというこ
とで修正を求めるということが多く見受けられます。
 各専門委員会におきまして,これらの申立ての対応について再度審議を行った結果を各
評価区分の小計の右の欄にまとめてございます。全学テーマ別では小計が70件というこ
とですが,その対応の内容として,観点ごとの判断の修正,削除1件,内容の修正が11
件,原文のままというのが57件,それから分野別教育評価につきましては,人文学系,
経済系,農学系,総合科学系,研究評価におきましても,人文学系,経済系,農学系,総
合科学とありますが,それぞれ小計の欄を見ていただければ,内容の修正がほとんどであ
りまして,水準の修正は0となってございます。
 以上が全体的な状況でございます。
 資料3「「意見の申立て及びその対応」(案)(抜粋)」におきまして,幾つかの機関
について,具体的な状況を簡単にご紹介いたしたいと思います。すべての対象機関の意見
申立てをここにファイルしますとかなりの分量になりますので,意見の申立てとその対応
の特徴的なもの,あるいは専門委員会で議論になったものについて抜粋してございます。
それでは,この中から幾つか絞ってご紹介させていただきたいと思います。
 まず,全学テーマ別評価,国際的な連携及び交流活動で,2ページ目のA大学の申立て
でございます。実施体制の改善システムの整備・機能の観点の状況につきまして,大学全
体としてシステムを整備する必要があること,また,このことは大学も自己評価において
認識していることから,「問題がある」と評価したわけで,これに対しまして,各学部の
講座や教室等において問題点を把握し,大学で改善を行ってきている。したがってシステ
ム的に大きな問題はないが,大学全体としてのシステムの整備が今後の活動の一層の充実
を図るために有益であるということから言えば,その必要性について自己評価を行ったも
のだということで,認めている。大学全体のシステムはなくても,きちんと機能している
ので「相応である」にしてほしいという申立てですが,これに対して,専門委員会で審議
した結果,大学全体のシステムがないことについて,大学もきちんと問題と認識しており,
既に改善システムが整備されつつあることが確認できたため,申立てを受けて,「問題が
ある」を「相応である」に修正をいたしております。
 5ページのBの申立てでございます。国際共同実験の実施体制の改善システムの整備・
機能の観点の状況について,過去5年間の活動状況から,「目標に照らして問題がある」
の評価を行った結果に対し,対象者から,評価の対象とされた活動の中には,改善システ
ムの整備・機能の目標から外れると思われるものが含まれており,評価結果について再考
の余地があるとし,観点の判断の修正を求めているものでございます。
 これにつきまして,専門委員会で再度ご審議いただいた結果,観点の判断につきまして
は原文のままとするが,記述内容について見直しを行い,一部修正を行ってございます。
 それから,分野別教育評価のC大学の申立てでございます。評価項目の教育の達成状況
について,「教育目的及び目標において意図する教育の成果が相応に達成されている」と
の評価結果に対し,要素の判断として,「優れている」,あるいは「相応である」,あるい
は「検討の必要がある」となっており,各要素において,色々な評価がされておりますけ
れども,それを総合的に見ると,項目の評価というのは,「おおむね達成されている」に
改めるべきではないかというような申立てでございます。
 これに対して,専門委員会で再度ご審議いただいた結果,要素におきまして検討の必要
があると判断された出口,就職支援の取り組み状況が不十分であるという点を重視して評
価を行ったので,原文のままとするとするのが適当であると判断されております。
 それから,分野別研究評価の状況でございますが,17ページのD大学の申立てでござ
います。研究の社会的効果の評価結果・内容につきまして,「地域社会の委員会等への参
加が加重負担になり,本来の研究活動が阻害され,ひいては研究活動を通しての社会貢献
を阻害しないよう配慮が期待される」との評価の結果に対し,地域社会の委員会等への参
加が研究活動に刺激となり得ることから,今後もこうした形の地域との連携を推進すべき
であるとの意見があり,記述内容の修正を求めているものでございます。
 これに対して,専門委員会で再度ご審議いただいた結果,地域社会の委員会への参加を
抑えるべきとの趣旨ではなく,その必要性を十分認めた上で,本来業務とのバランスにつ
いて留意することが期待されるとの趣旨で記述したものであり,そのことをより明確に表
現する内容の修正を行ってございます。
 最後に20ページの分野別教育・研究評価「総合科学」の状況でございます。
 E大学からの申立てでございます。教育の質の向上及び改善のためのシステムの要素の,
組織としての教育活動及び個々の教員の教育活動を評価するする体制についての評価でご
ざいます。評価の結果としては,外部評価が実施されていないことの問題点,それから個
々の教員の教育活動の評価体制が整備されていない点を指摘したことに対し,大学から,
外部有識者を含めて自己点検評価を行っていると。それから個々の教員の教育実績をデー
タにより公表し,客観的な評価を受けているという主張がありまして,記述内容の修正を
求めているものでございます。
 これにつきまして,右の欄ですが,専門委員会に再度ご審議いただいた結果,大学にあ
っては,外部評価と自己点検評価を混同されて理解されているということで,やはりその
対応は不適当であると。それから教員の教育実績の公表についても,通常行われている取
り組みであるので,教育の質の向上を図るための評価体制があるとは確認できないとの判
断から,原案のままとされております。
 以上,対象機関からの意見の申立てとその対応の状況について,幾つかご紹介をいたし
ました。なお,この意見申立ての対応につきましては,各対象機関の評価報告書にそのま
ま掲載されるとともに,社会にも公表されることになっておりますので,よろしくお願い
いたします。

○委員長 それでは,ただいま事務局からご説明がありました,平成14年度着手分の評
価結果に対する対象機関からの意見の申立てへの対応についてご審議いただきたいと思い
ます。ご意見,あるいは何らかのお言葉がありましたらお願いします。
 よろしいでしょうか。もし,特に修正等の意見がない場合は,原案のとおり了承いただ
いたものとして,機構から各評価対象機関へ通知,公表することになります。よろしいで
しょうか。
 それでは,次に平成14年度着手分の大学評価の評価結果について(オーバービューに
ついて)ご審議お願いしたいと思います。
 初めに,事務局からご説明をお願いします。

(2)平成14年度着手分の大学評価の評価結果について(オーバービューについて)
● それでは引き続き,資料4「平成14年度着手分の大学評価の評価結果について(案)
(オーバービューについて)」をご覧いただきたいと思います。
 大学評価の評価結果の概観,いわゆるオーバービューでございます。各対象機関に送付
いたします評価報告書は全部で197冊ということになる予定でございますが,この中身
につきまして,全般的な状況と当機構の行う評価の概要等を整理いたしまして,社会にわ
かりやすく示すということを目的として作成しているものでございます。
 まず「はじめに」でございますけれども,機構の取り組んでいる状況,それから評価対
象機関の数等を記載しております。本冊子の目的につきましては,下の方に「本冊子は,
評価結果を分かりやすく社会に示すため,評価報告書と合わせ発行するものであり,評価
結果の全般的な状況を示すとともに,機構の評価の役割と評価法を解説し,また,評価の
実施を通じて認識された課題等も記している。しかしながら,評価結果の中心はあくまで
も評価報告書であり,個々の対象機関についての具体的な状況や取組の内容については各
評価報告書の記述を参照願いたい。その上で各機関や各方面で評価結果を適切に利用して
いただくことを願っている」というような目的を書いております。
 目次でございますが,大きく2つに分けて構成しております。「?T 大学評価・学位授
与機構が行う大学評価」は本機構の評価の概要についてまとめております。「?U 評価結
果の概要」はそれぞれ全学テーマ別評価,分野別教育評価,分野別研究評価,あるいは分
野別教育・研究評価「総合科学」ということで,本年度の評価結果の概要を整理してござ
います。
 それでは,1ページ,機構の評価の概要でございますが,評価の目的を2つ掲げてござ
います。
 それから,評価の特徴にしましても,2.1から次のページの2.4というように整理し
てございます。
 それから実施の経緯について,平成14年度着手の状況を書いております。
 それから,4としましして,14年度着手におきます改善点を整理してございます。ま
ず,自己評価実施要項を改善した点として,丸で4つほどに整理してございます。
 それから評価の実施の過程で工夫・改善した点ということで,研修の充実,あるいは作
業負担の軽減への配慮ということで整理しております。
 5でございますけれども,評価報告書本体の構成について,各評価報告書は「対象機関
の概要」「目的及び目標」「対象となる活動及び目標の分類整理表」「活動の分類ごとの評
価結果」「評価項目ごとの評価結果」「評価結果の概要」「意見の申立て及びその対応」「特
記事項」ということで構成しております。
 それから,5ページでございますけれども,全学テーマ別評価「国際的な連携及び交流
活動」についてでございます。
 5ページから9ページまでは,既に実施大綱,あるいは自己評価実施要項,あるいは評
価手引き書等に記載済みでございまして,既に公表されているものでございますので説明
は省かせていただきますが,6ページについてでございます。1.5.2.評価項目単位の
評価ということで,丸の「十分貢献している」から「ほとんど貢献していない」というこ
とで,5段階の評価で行っております。ゴシック体の「なお,これらの水準は,当該大学
等の有する目的及び目標に対するものであり,大学等間で相対比較することは意味を持た
ない」と説明をしております。
 1.5.3.書面調査の評価項目では,観点の判断としては「すぐれている」「問題があ
る」「相応である」の3つの判断でやっております。
 9ページまでは,大体要項に書いてあるとおりでございます。
 次に10ページでございますが,2.1.実施体制という評価項目におきまして,(1)
から(3)のこのような観点を立てて評価を行っております。その結果につきましては,
11ページの表の中ですけれども,大体「相応に貢献している」が多いですけれども,「あ
る程度貢献している」も3機関ほどございます。
 上から2つ目の丸の特色ある取り組みとして,共同研究において,専門分野を横断した
研究体制をとっている取り組み,あるいは地域性,発展性を踏まえた国際共同研究の拠点
形成を図っている取り組み,地理的条件を生かして諸外国の研究者の交流を促進するセン
ターの設置などの取り組みが見られますということです。
 改善を要する点としては,活動を推進するための全学的組織が未整備な点,組織的な支
援体制がとられていない点,あるいは改善システムの整備が不十分である点などがあげら
れております。
 次に,2.2.活動の内容及び方法でございますが,12ページに評価結果が出ておりま
す。これについても「相応に貢献している」はほとんどでございますが,「ある程度貢献
している」も1機関ございます。
 特にここでは,改善を要する点としまして,海外組織との継続的交流が希薄,全学的な
活動計画の策定が不十分,一部の教員による活動がほとんどであり,計画性に難があると
いうところが見受けられたということでございます。
 それから問題点として,特に取り上げられていないけれどもということで,留学生の受
け入れに関して,アジアからの留学生の一部に英語力の遅れが見られ,それにどのように
対応するかが課題であることを指摘する大学もあったというようなことが書かれておりま
す。
 2.3.活動の実績及び効果でございます。ほとんどが「相応に貢献している」で「効果
が十分に挙がっている」というのも24機関になってございます。
 ただ,ここに問題点として,事項ではなかったということでありますけれども挙げられ
ている点が下のほうにありますが,国際連携活動は,派遣受け入れなどの双方向の活動が
バランスよく実施されていくことが望まれる。しかし,例えば教職員の受入れ・派遣では,
派遣数に比べて受入れ数が少ないこと,また,教育・学生交流では,海外からの留学生数
に比べて,海外に留学する日本人学生が少ないことなどの偏りが全般的に確認された」と
いうことも述べられております。
 次に15ページでございますが,評価実施における諸課題への対応等ということで,3.
6.評価項目ごとの評価結果について,ここで一応総括いたしております。
 2段落目のなお書きですけれども,「評価項目ごとの「水準の判断」については,6〜
7割の対象機関で自己評価と比べて水準が下がっている。これは,対象機関の自己評価に
おける「水準の判断」が総じて高かったためで,約半数が最も高い水準の「十分に」と判
断され,約1/3を対象機関において,すべての項目が「十分に」の水準に自己評価され
ていた」ということで,かなり自信を持って評価している状況があったということでござ
います。
 それから,「また,対象機関の規模別で見ると,規模が大きいほど,水準が高い傾向が
見受けられた」とも指摘されております。次の段落の「さらに」というところで,項目別
にみると,「実施体制」,「内容及び方法」,「実績及び効果」という先程表の中で見てきま
したけれども,非常に高い水準の機関が多くなっているということで,「これは,実施体
制が整備されていなければ,効果的な内容や方法を採用することは困難である。また,適
切な内容や方法がとられていなければ,十分な実績や効果を得ることは難しいといったよ
うに,前者が後者の必要条件となっているとも見せることから,一見,矛盾している結果
のようにも思われる。しかし,この結果は,現時点での大学等の国際連携活動の状況を典
型的に表しているものと言える。すなわち,国際連携活動は,基本的に,各部局や個々の
教員によって実施されており,その中には優れた活動が含まれているが,機関全体として,
それらを統括する全体的な計画が未整備であったり,機関としての国際連携活動の改善の
ための体制や,それを支援する体制に,十分でない点が残されているといった傾向を読み
取ることができる」ということで総括されております。
 16ページでございますが,評価の方法等について,ご協力いただきました専門委員・
評価員にをアンケートでお教えいただいております。
 その主な意見については,(1)から(4)がありますが,(1)自己評価書について,
評価作業の趣旨を理解しないで,自己評価書を作成した対象機関が見られ,対象機関に趣
旨を徹底させるべきであるということ。目的及び目標が画一的である。対象機関にもっと
具体的な記述を求めるべきではないかという点。
 (2)評価の実施(運営)体制については,専門委員会,評価チーム打ち合わせにおい
て,各委員からの意見を十分にくみ取る時間が不足しているのではないかという点。3つ
目の丸に,主担,副担の分担,評価チームの会議などの体制がとられていたのはよいが,
主担の負担が大きく,そこに作業が偏らざるを得ない状況であったので,もう少し作業負
担のバランスについて工夫してほしいということ。
 (3)評価の実施方法についてで,2つ目の丸ですが,評価報告書の字数制限が厳しく,
対象機関の状況が的確に伝わらないのではないか。また,対象機関の規模や特徴にかかわ
らず,評価報告書の構成・分量が統一されているのは,改善の余地があるのではいか。次
の丸が,作業量が多大であり,作業日程も厳しい。評価報告書の作成プロセスを簡略化し
て,無理なく評価の行われる仕組みをつくる必要がある。
 (4)評価担当者の研修でございますが,多忙な評価担当者が集められているので基本
的に難しいことではあるが,評価作業を十分に理解できるよう,時間・回数ともに充実さ
せる工夫をすべきではないか。2つ目の丸ですが,「研修」については,短期で行うこと
には限界もあり,実際にやりながらわかっていく部分もあるので,事務局のサポートが有
用だった。また,評価担当者の研修と並行して,大学等の自己評価担当者の研修も必須で
あり,全体的に,評価の専門家を養成していく必要があるのではないかというような専門
委員・評価員から寄せられております。
 これが全学テーマ別の評価の状況でございます。
 次に,17ページの分野別教育評価でございますが,人文学系,経済学系,農学系と並
んでおります。ほとんど同じような構成になっておりますので,人文学系についてかいつ
まんでご説明したいと思います。
 18ページですが,要素ごとの貢献の判断として,このような5段階の評価を行ってご
ざいます。
 20ページをご覧いただきたいと思います。人文学系の教育の実施体制でございます。
 改善点のところでございます。「教育目的及び目標,学生受入方針の公表に関して,多
くの対象機関で多様な公表方法に対する効果を把握していないことなどが指摘されてい
る」ということでございます。
 21ページに移りまして,大学院でございますが,改善点のところで,「高度専門職業
人として想定される内容を具体化し,その養成に応えられる科目展開の検討の必要性が指
摘されている」。
 評価結果につきましては,「相応」と「おおむね」に集中しています。「十分に貢献し
ている」はございません。
 教育内容面での取り組みとしまして,(1)教育課程の編成ですが,最後から2行目,
「さらに,地域の特性を活かした科目,地域への理解を深める地域文化論・地域論科目を
設置する試みも行われている」ということで,新たな取り組みが行われているということ
でございます。
 (2)授業内容に関する取り組み状況ですが,学生による授業評価・授業アンケートの
実施とその公表,それに基づく授業改善は多くの対象組織が実施しており,中には学生と
の恒常的な意見交換の場を設けてられている組織もある。しかし一方で,教育内容等の研
究・研修(ファカルティ・ディベロップメント)ですけれども,必要性については広く認
識されているものの,具体的対応は組織によってかなりの遅速の差が見られるということ
でございます。
 そして,改善点等としまして,「多くの対象組織で,組織としてのファカルティ・ディ
ベロップメントの取組が十分ではないこと」が指摘されています。
 22ページでございますが,したがってそこの評価結果については,「相応に」から上
に集中しておりますけれども,大学院が学部より遅れているということでございます。
 2.1.3.教育方法及び成績評価面での取り組みですが,(2)成績評価法に関する取
り組み状況について,「成績評価基準の透明性・公平性については,多くの対象組織でシ
ラバスなどで基準を明示する取組が行われている。一方で,それが組織全体としての取組
ではなく,個々の教員の判断に委ねられている事例も見られる」という点。
 23ページの改善点というところでは,組織としての成績評価基準設定の必要性が指摘
されてございます。
 評価結果については下のほうでございます。「相応」と「おおむね」に集中してござい
ます。
 24ページでございますが,2.1.4.教育の達成状況でございます。(1)学生が身
につけた学力や育成された資質・能力の状況から判断した達成状況について,達成状況の
把握については,単位修得状況・進級・卒業率等が調査され,教職・学芸員などの資格取
得,各種検定の受験者数などからも,学力や能力の育成状況が比較的良好であることを裏
づけているという状況が見受けられます。学生から比較的高い満足度が示されている組織
が多く見受けられます。しかし,一方で,卒業延期者・留年者がおり,総じてその実態の
調査や原因の把握,対応策の検討が遅れている状況も見受けられるということでございま
す。
 (2)進学や就職などの卒業後の進路の状況から判断した達成状況ですが,中ほどにイ
ンターンシップの導入が進められているけれども,就職支援体制は十分とは言えない。卒
業生に対する雇用者のアンケート調査を実施している組織では,おおむね良好な評価を得
ているけれども,この種の調査に本格的に着手している組織も少数であるというような状
況になっております。
 したがって,改善点としまして,卒業延期者,留年者の動向把握,就職支援体制の改善,
卒業後の進路調査などについて,さらに組織的に取り組む必要性が指摘されてございます。
 研究科につきましては,(1)には,優れた修士論文を学会発表や学術誌への投稿を促
すことなどで,その達成水準を確保しようとしており,また,課程博士論文も徐々にその
数を増やしていることから,達成状況は相応の水準にあると判断されるというような状況
でございます。
 25ページの評価結果の状況でございますが,「相応に達成されている」と「おおむね
達成されている」に集中してございます。
 2.1.5.学生に対する支援でございます。新入生ガイダンスと,オフィスアワーの設
置,あるいはセクシュアル・ハラスメント相談室の設置,あるいは生活,あるいは進学に
関する問題に関する投書箱,相談箱を設けられた事例もあり,かなりの色々なところで取
り組みが行われている。それから,留学生に対しても,多くの組織でチューター制による
支援を採用されており,色々な支援が行われいる状況にあります。
 特に優れた点ということで,成績優秀者の表彰,進路決定後の変更の容認など,学習意
欲を高め,適性を育てる試みが取り上げられているというのが挙げられております。
 26ページでございます。評価結果の状況は枠の中でございます。やはり「相応」「お
おむね」に貢献しております。
 3.1.6.教育の質の向上及び改善のためのシステムですけれども,(2)評価結果を
教育の質の向上及び改善の取り組みに結びつけるシステムの整備及び機能状況ということ
で,「委員会等の学内体制による教育改善に向けたフィードバックの機能状況については,
多くの対象組織では,アンケート結果や外部評価結果を教員に開示し,改善を促す取り組
みが見られる。シラバスの改善などの成果もあるが,なお改善の実行が個々の教員の判断
に委ねられていたり,改善の結果を確認するまでには至っていない組織が多く,こうした
フィードバック体制の構築やファカルティ・ディベロップメントへの取組に着手したばか
りの対象組織」も見受けられるということでございます。
 したがって,改善点としまして,一部に見られるフィードバックシステムの立ち遅れや,
ファカルティ・ディベロップメントへの取り組みの遅れが指摘されてございます。
 したがって,27ページの評価結果におきましても,「ある程度機能している」,ある
いは大学院で「ほとんど機能していない」が2機関が評価結果となっております。
 28ページの経済学系,35ページの農学系の教育評価の状況,それから研究評価につ
きましては47ページでございますけれども,人文学系,経済学系,農学系ということで
教育評価と同じ分野で行っております。
 評価の判断方法でございますけれども,48ページについて,要素ごとの貢献度という
ことで5段階評価を行っております。それから,49ページの研究水準の判定については,
「卓越」「優秀」「普通」「要努力」「該当せず」という判断を行ってございます。50ペ
ージの上のほうでございますが,研究の社会的効果については,「極めて高い」「高い」「相
応」「該当せず」というようなことで判定を行っております。研究評価につきましても,
それぞれ先程教育評価で申し上げたような,基本的に同じようなつくりでなっております
ので,ここでは時間の関係で省略させていただきたいと思います。
 最後に65ページでございますが,分野別教育・研究評価の「総合科学」につきまして
でございます。
 基本的には教育評価と研究評価を同時に1つの機関を対象に行っておりますので,それ
ぞれ同じような評価項目の整理になってございます。
 その中で,最後の81ページでございますけれども,各分野別の評価と違いまして,こ
こでは少し全体的な専門委員・評価員から寄せられた意見を挙げております。
 一番上の丸ですけれども,自己評価の方法や自己評価書の作成方法について,対象組織
に対して更なる指導・助言が必要との意見があった。
 評価項目,要素,観点について,現行どおりでよいとの意見がある一方で,反対にそれ
らをもっと整理すべきとの意見があった。また,定性的評価とを定量的評価とを適切に組
み合わせた評価基準を検討すべきではないかとの意見があります。
 それから,書面調査段階で必ず必要となる資料についてはあらかじめ自己評価書と同時
に対象組織から提出させるべきではないかとの意見があります。
 1つ飛びまして,評価結果の透明性・客観性,今後の信頼性の確保の観点から,研修に
十分な時間をかけるべきではないかという意見です。
 それから,評価の負担軽減にかんがみ,評価項目の精選や適切な評価基準の設定,客観
的な指標の活用などついて検討すべき。また,評価作業を円滑に行うために,電子媒体や
ネットワークシステムを一層効率的に用いるべきとの意見もございます。
 それから,専門委員会・評価チームなどの運営方法,事務局の支援体制について,今後,
国立大学法人評価などの評価を受ける大学が増加すると,現行のやり方ではオーバーフロ
ーを起こしかねないのではないかとの意見がございます。
 以上が,評価結果の状況でございます。
 最後に,「おわりに」というところで,これまでの評価の状況と,それからこれまで色
々な専門委員,あるいは評価員,評価委員会の委員等のご協力をいただいてここまでやっ
てこれたということに感謝の言葉と,それからまた今後評価の実施に当たって,関係者の
意見を十分見ながら進めてきており,今後も可能な限り改善を図りながら進めていきたい
ということ。
 それから,14年度着手の評価に関するアンケート調査についても,今後これについて
行う予定であるということ。全般的に言えば,機構が実施してきた評価の目的・方法など
の理解はかなり深まってきている。評価の重要性が広く認識されてきていることがうかが
えますということで,「16年度においては,今までのアンケート調査等により得られた
意見も再度分析しつつ,試行的実施機関における評価全体の総合的な検証を実施する予定
である」ということでございます。
 それから,機構を取り巻く環境も大きく変化しておりまして,「現在,学校教育法に基
づく認証評価を行うべく,準備を進めている」ということ。それから,国立大学法人法に
基づき,国立大学の教育研究の状況に関する評価も実施していく予定であるということを
ここで述べております。
 したがって,今までの試行で行ってきた3つの区分による評価は行わないけれども,今
後の評価において,これまでの経験をもとに,よりよい評価システムを構築していきたい
ということが最後にまとめられております。
 以上が,オーバービューの一応のざくっとした説明でございます。よろしくお願いしま
す。
○委員長 ただいまご説明いただきました「平成14年度着手分の大学評価の評価結果に
ついて(オーバービューについて)」について,ご審議お願いしたいと思います。
○ 委員の皆さんもご存じのとおりに,世界各国では大学評価についての見直しを図るな
どしているため,評価結果のオーバービューのようなものは非常に参考になると思うんで
すけれども,残念ながら海外の教育関係者の中で,日本語を読める人が非常に少ないので,
これを英語に翻訳することは検討しているでしょうか。

● 前回も今の御発言と似たような,英訳の問題じゃありませんけれども,評価結果につ
いてわかりやすく解説して出してほしいというようなご意見をいただきまして,何とかし
たいと申し上げたのですが,英訳のことは大変頭が痛くて,日常の業務に追われておりま
すので,今のところ具体的な計画を持っていません。しかし,こういう資料は非常に貴重
だと思いますので,ぜひ努力したいと思います。

○ 改めてこの資料4のご説明を伺うかがって,こういうことは言えるのではないでしょ
うか。確かにこの機構の評価というものは,各大学がセッティングした目標,計画に対し
て評価をしています。その結果としたら,ほとんどが「相応」もしくはそれ以上,非常に
高い評価です。
 相応という評価はある意味では非常にいい評価なのです。しかもそれ以上の評価を受け
た大学も結構ある。そして,やや低めがあったとしても,改善システムがうまく動いてい
ないというところに集約されると思います。
 これは日本の大学に対する,あるいは日本の主力の国立大学に対する世間一般が感じて
いるものと,ものすごく乖離しているわけです。逆に言えば,この評価結果は,そういう
世の中の一般的な評判に対して,逆に違うよ,いいんだよというような性格をやや帯びて
いるのではないでしょうか。その辺,世界との競争力の問題,日本の教育の問題等がこれ
だけ近年騒がれており,しかもこれは過去の5年ですから,一番騒がれている実態のもの
に対する評価であることを考えたとき,私はやはり大学等の目標の設定は相当低かったの
ではないかと感じざるを得ないんです。
 その辺をよく世の中の人に理解してもらえるかどうかというのは,若干気になっていま
す。そういう世の中の一般的な評価に対して,この評価結果について胸を張って言えるか
どうかということは若干気になっております。

○委員長 かなり重要なご意見をいただいたんですが,今のご意見に関連して,何かござ
いますでしょうか。

○ 今,委員のおっしゃったことは非常によくわかるのですが,ただ,各大学から出され
ている自己評価がすごく高いわけです。それに比べれば機構の評価がかなり水準を落とし
ています。まず1つの問題は,なぜ各大学の自己評価が高いのか。
 大学等の自己評価書を世の中に出したら,仰天する人が出てきてもおかしくない。それ
に対し,機構の評価は水準を相当落としている。落とされた大学からは批判が出てきます
けれども,それでも批判が大分減ってきていることは,機構の評価が進化していることの
証明だと思っています。委員のお考えとしては,もう一段厳しい評価をやるべきだという
ことですが,私が農学系教育評価専門委員会委員を担当し,実際に大学に入ってやらせて
いただき,非常に勉強になりましたけれども,評価者は大学の先生が中心になっている。
産業界からは私一人です。確かに,評価者の持つ専門性が評価を受ける側の分野等とマッ
チしていないと評価するのは難しいと思いますし,評価者について利害関係のない人を選
んでいますが,同業者であることは間違いありません。
 それでも評価を行った結果相当低くなった。もしその中にもっと社会一般の色々な人た
ちを入れたら,この評価はどうなるのか。すなわち,評価者の選び方の問題になりますが,
その中で研究となりますと相当専門性がないとわからないのですが,教育の問題になりま
すと一人一人みんな意見が違うということもありますので,その辺を考慮してみてはどう
か。
 それから今ひとつ,資料4を見て気になって申し上げたんですが,この各項目に「これ
は相対評価ではありません」と書いてあります。その意味は,各大学の目的,目標が違う
ので,その違うものに対して各々の大学がどれだけ取り組んでいるか,どれだけの成果が
出たかということであり,中身が違うから評価にならないというのが表向きの話なのです
が,実際にはどれだけ違うのか。もしこれが本当に生きるような違いがないと,外から見
た場合,今後機構が評価していくときに,結局最終的に相対評価に陥る危険性がある。例
えば極端な場合,各大学の特徴がほとんど同じだったら,これは相対評価そのものです。
 そうならないためには,特徴というものの違いを機構として強く求めていくという姿勢,
あるいはその違いが少しであっても,それが大きくわかるような形にする。そういうもの
は多様な価値観を持った人を評価者に選ぶことがこれからは必要なのではないか。ただい
ま委員の言われたことは非常によくわかるんですが,少しずつ解決すべき問題かなという
意味で,意見を申し上げました。

● ご指摘の評価者の問題でありますが,やはりこれは相当大きいと思います。英国の例
で恐縮ですけれども,英国は最初に教育評価を始めまたときには,ピア・レビューとして
大学の先生だけという限定下で行ったのですが,やはり世の中から,それではまずいとい
うことで,色々な方面から,それほどパーセンテージにして多くありませんけれども,評
価者としておやりになったという状況がございますので,やはり評価者をどうするかとい
うことは今後大きな問題ではないかと思います。
 それから,あの激しい評価を行ったイギリスでも5段階評価のうち1を最低とすると,
ピアの中で1をつける人は,最初はほとんどいなかったんだそうです。それで評価者の研
修でどうやったかというと,疑似評価みたいなのをやって,研修員にこういう場合は1で
あるということを徹底的に訓練したということです。
 その結果,1を受けた機関がようやく幾つか出てきたという程度で,なかなか評価員と
いうのは1をつけるのに抵抗がある。それと同時に,最高の段階をつけるのも難しいとい
うことで,このような結果になったのではないかと思い,評価者の問題と同時に,研修を
やはりきちんとやっていくこと。私個人としては悪いものは悪い評価にするということを
徹底させる以外にないのではないかと考えております。

○委員長 このオーバービューについて,特に修正等のご意見がなければ,評価結果とあ
わせて機構から各対象機関に周知公表することになります。
 なお,評価結果の公表についての取り扱いについて,事務局から報告があるようなので,
お願いします。

● ただいまご了解いただきました評価結果の公表についてでございますが,社会にわか
りやすく公表するということで,この後文部科学省の記者クラブにおきまして,機構がレ
クチャーを行って,公表したいと思っております。
 評価結果の解禁ですけれども,3月19日の17時にテレビ,ラジオに出ると思います。
新聞につきましては,20日の朝刊に掲載されるのではないかと思っておりますので,先
生方には解禁日までの今日の資料の管理について,よろしくお願いしたいと思います。

○委員長 それでは,次に平成14年度着手分の大学評価に関する意見照会の実施につい
て,事務局からご説明をお願いします。

● それでは,引き続き,この後14年度着手分の評価結果につきまして,関係機関,資
料5のとおりでございますが,評価の内容や方法について,全般的なご意見を広くいただ
いて,今後の色々な評価に生かしていきたいと思っております。
 まだ,具体的な様式は検討中でございますが,本日は取り急ぎ平成14年度着手分の評
価について意見照会を実施させていただきたいというようなご提案でございます。
 なお,各関係団体及び対象機関からいただいた意見につきましては,原文のまま機構の
ホームページにおいても掲載する予定としております。

○委員長 今,ご説明がありましたように,平成14年度着手分の大学評価に関する意見
照会を実施していただきたいと思います。
 それでは,次に大学評価事業の今後の在り方についてご議論いただくわけですが,事務
局からこれまでの審議状況について,ご説明をお願いします。

(3)大学評価事業の今後の在り方について
● それでは,資料6−1〜資料6−10の資料に基づきまして,ご説明申し上げたいと
思います。
 まず,資料6−1「評価に係るこれまでの検討経緯」でございますけれども,平成14
年11月に大学評価・学位授与機構の評価事業の今後の在り方に関する検討会議」を設置
いたしまして,検討を進めてまいりまして,昨年の8月15日に「大学評価・学位授与機
構の評価事業の今後の在り方について〔中間まとめ〕」をまとめたところでございます。
それを踏まえまして,11月に大学の評価の準備委員会,短期大学,高専の準備委員会を
設置いたしまして,それぞれの機関別認証評価の在り方について議論を進めてまいりまし
た。
 大学について取りまとめたものが資料6−2「独立行政法人大学評価・学位授与機構
が行う大学機関別認証評価について(報告)」でございます。大学評価準備委員会にお
きまして,2月19日に機構が行います大学機関別認証評価に関する実施大綱(案)及び大
学評価基準(案)の取りまとめをしたものでございます。
 各委員には既に送付させていただいておりますので,資料6−2につきましては,その
ポイントのみご説明をさせていただきたいと思います。参考1「大学機関別認証評価実施
大綱(案)の概要」ということでございます。
 「?T 評価の目的」につきましては,昨年8月の中間まとめで整理されておりますよう
に,各大学の教育研究活動等の質を保証するということ,教育研究活動の改善に役立てる
こと,それから,大学の教育研究活動の状況を明らかにし,それを社会に示すこと,この
3つを目的とするということでございます。
 「?U 評価の基本的な方針」につきましては,大学評価基準に基づきまして,基準を満
たしているかどうかの判断を中心とした評価をするということ。また,教育活動の状況を
中心とした大学の総合的な状況を評価するということ。また,各大学が有する目的を踏ま
えた評価を行うということ。この辺を評価の基本的な方針という形で整理しております。
そのほか,自己評価を踏まえた評価でありますとか,ピア・レビューを中心とした評価,
透明性の高い開かれた評価,この辺は現在の評価と同じ方針でございます。
 それから,その次のページに参りまして,「?W 評価の実施方法等」でございますけれ
ども,?@で大学の評価基準を定めて,それにその基準を満たしているかどうかということ
で評価を行うわけでございますが,大学評価基準の内容につきましては,機構として各大
学において満たすことが必要と考える内容の規定を行っております。
 ?Aで,基本的にはすべての大学を対象とする評価事項のほかに,大学の希望に応じて評
価を実施する評価事項といたしまして,「正規課程以外の教育サービスの状況」と「研究
目的の達成状況」という2つの項目を設けております。ただ研究目的の達成状況の評価に
つきましては,機構において評価体制が整備された段階から実施するということで,若干
遅れて実施するということとしております。
 (2)「評価プロセスの概要」でございますけれども,?A「機構における評価」の(?@)
をご覧いただきたいと思います。この辺が一番議論になったところでございますけれども,
機構における評価は,基準ごとに自己評価を踏まえ,大学全体としてその基準を満たして
いるかどうかの判定を行い,理由を明らかにする。なお,必要に応じて学部・研究科等ご
とに分析,整理するとしております。
 (?A)で,基準を満たしているが改善の必要が認められる場合や,基準を満たしている
もののうち,その取り組みは優れていると判断される場合には,その旨の指摘を行うとし
ております。この点につきまして,中間まとめにおきましては,評価結果として段階的な
記述,「十分」と「おおむね」など,そういう段階的な記述によって,教育活動の全体の
状況について明らかにするとしておりましたけれども,この点につきまして,大学評価準
備委員会におきまして,かなり議論を行いまして,この評価が大学全体として基準を満た
しているかどうかを中心とした評価であるということでありますとか,具体的な評価体制
等を検討したところ,評価結果を段階的にして状況を明らかにするというのは,かなり難
しいというような判断から,段階的な記述によって明らかにするということではなくて,
改善点や優れている旨の指摘を行うという形で評価結果を表していこうということとなっ
ております。
 それから,学部・研究科等ごとの分析も,場合によってはそれを整理するということで
ございますけれども,これにつきましても議論が行われまして,学部研究科等ごとの分析
はあくまで大学全体を評価する一環として行うということで,学部研究科等ごとの分析の
単なる積み上げを最終的な評価結果とするというものではないということについて確認が
行われております。
 この点につきまして,具体的にどういう形で大学のほうに自己評価していただくか。ま
たあるいは機構としてどういう形で評価結果を取りまとめるか。学部・研究科ごとの状況
をどの程度記述するかということにつきましては,今後自己評価実施要項等を検討してい
く段階で,さらに検討していく必要があるということでございます。
 それから,大学全体としてすべての基準,それを満たしている場合に,機関としての大
学が本機構の大学評価基準を満たしているものと認め,その旨を公表する。また1つでも
満たしていない基準があれば,大学全体として大学評価基準を満たしていないものとして,
その旨を公表する。これは中間まとめで示されて方針どおりでございます。
 それから,3ページにまいりまして,「?] 追評価」は,今回新たにつけ加わっており
ます。これは1つでも基準を満たしていない場合は大学全体として満たしていないと判断
をするということから,大学評価基準を満たしていないと判断された大学は,評価実施年
度の翌々年度までであれば,満たしていないと判断された評価事項に限定して追評価を受
けることができる。その評価事項が満たしていると判断された場合には,先の評価と併せ
て,大学全体として大学評価基準を満たしているものと認め,その旨公表するということ
で,簡易な評価をして,いわゆる救済手続のようなものを設けたということでございます。
 以上が,実施大綱についてでございます。
 次に,参考2で,「大学評価基準(案)概要」を整理しております。大学評価基準につ
きましては,全体として11の基準で構成しております。そのほか2つの先程申しました
選択的評価事項を設けている。また基準の中に,基準を設定した意義・背景を説明するも
のとして趣旨を設けております。
 また,基準を満たしているかどうかを判断するための観点として,各基準ごとに基本的
な観点というものを設けております。実際の基準を見ていただきますとわかりやすいと思
いますので大学評価基準(案)をご覧いただきたいと思います。1ページに大学の目的と
いう基準1「大学の目的」でございますけれども,ここでは大学の目的が明確に定められ
ているその内容が,大学一般に求められる目的に適合するものであることでありますとか,
周知,公表というようなことについて,基準として表されておりますけれども,その下に
趣旨を記述しております。
 また,右側のページに基本的な観点ということで,5項目記述しております。この基本
的な観点につきましては,すべての大学において,原則として自己評価書におきまして分
析していただくということを求める観点でございます。
 またそれに加えまして,大学独自にその目的に照らして設定する観点というものも認め
ていこうということで,基準を満たしているかどうかの判断に当たりましては,基本的な
観点と大学独自に分析した観点を総合して,基準を満たしているかどうかの判定を行おう
ということになっております。具体的な基準の中身につきましては説明を省略させていた
だきたいと存じます。
 以上が,機関別認証評価についての検討状況でございます。
 それから,資料6−3は「短期大学評価準備委員会委員名簿」でございます。短期大学
につきましても,1月から検討開始いたしまして,3月中に大学と同じように成案が得ら
れる見込みでございます。
 それから,資料6−4は「高等専門学校評価準備委員会委員名簿」でございます。高等
専門学校につきましても,昨年12月から検討開始いたしまして,ほぼ実施大綱及び評価
基準の整理が終わりまして,16年度から高等専門学校については試行実施する予定でご
ざいますので,試行の実施に向けまして,自己評価実施要項等の詰めの作業に入っている
ところでございます。
 それから,資料6−5で「法科大学院の認証評価に関する検討会議委員名簿」の委員名
簿でございます。法科大学院の認証評価についての検討は平成15年2月から開始いたし
まして,平成16年の3月中にはほぼ評価基準等がまとまるというような予定となってご
ざいます。
 それから,資料6−7でございますけれども,「大学評価・学位授与機構の評価事業の
今後の在り方に関する検討会議のこれまでの検討経緯」でございます。昨年8月15日に,
この検討会議では中間まとめをまとめましたけれども,その後国立大学評価について「国
立大学評価ワーキンググループ」を設置いたしまして,国立大学評価の在り方について検
討を進めてまいりました。
 資料6−8がそのワーキンググループの委員の名簿でございます。本大学評価委員会委
員に主査をお願いいたしまして,3回にわたって議論を進めてまいりました。
 まだ具体的な議論を取りまとめ,報告書という形までには至っておりませんけれども,
簡単にご紹介いたしますと,この国立大学評価ワーキンググループでは,昨年10月に設
置されました文部科学省の国立大学法人評価委員会における検討状況の報告を受けなが
ら,具体的な議論を進めてまいりました。
 その検討状況について若干ご報告させていただきますと,各国立大学から提出された中
期目標,中期計画の素案を見ますと,かなり具体性に欠ける面が見られるということで,
この中期目標の達成状況をどういう形で評価していくのかということについて,まず議論
を行いました。
 結論としては,各大学が責任を持って中期目標の達成状況を自己評価していただくとい
うことが極めて重要であるということで,各大学では自己評価の実施に向けて,中期目標
の達成をどういう基準で判断するのかというような判断基準でありますとか,その検証方
法,具体的にどんなデータを集積して,それによって達成状況を証明するのかということ
につきまして,あらかじめ十分検討して準備しておくことが必要である。またそういう適
切な評価が実施できるという観点から,もう1回中期目標,中期計画を見直していただく
必要があるのではないかというようなことについて議論を行ったところでございます。
 またその機構におきましても,今後どういった根拠資料が中期目標の達成状況を証明す
るために有用なのかというようなことにつきまして,国立大学関係者との間の研究協議等
の場で情報提供していくということも考えられるのではないかというような議論を行った
ところでございます。
 これにつきましては資料6−9「国立大学法人の中期目標・中期計画(素案)について
の意見」,これは文部科学省の国立大学法人評価委員会が文部科学大臣に提出した意見で
ございます。これを受けまして,文部科学省は各大学にこの意見の趣旨を踏まえて検討を
お願いしたいということで,検討の要請が行われているものでございます。
 機構の「国立大学評価ワーキンググループ」において出された意見につきましては,こ
の法人評価委員会の意見の中にも同じようなものが見受けられます。まずその具体的,明
確で評価が可能な目的,目標計画の設定の必要性というようなことについても触れられて
おりますし,それから適切な評価を実施するという観点から,具体的な目的,目標の設定
に向けて検討してほしいということでありますとか,機構でこれまで行ってきましたイン
プットやアウトプット・アウトカムというようなそれぞれの目的,目標にはさまざまな性
格があり,それに応じて適切に評価できるかどうかという観点を踏まえて,大学では検討
してほしいというようなこともメッセージとして込められているところでございます。
 また,先程の議論のことにつきましては,各大学において,中期目標の達成状況を示す
ための指標のようなものを学内で開発してほしい。場合によっては各学部等の状況に即し
て,そのような指標を検討するということも行ってほしいというようなメッセージも盛り
込まれているところでございます。
 そのほか今後の国立大学法人評価の具体的な実施方法をどうしていくのかというような
ことも議論が行われましたけれども,これにつきましては,文部科学省の国立大学法人評
価委員会の検討とあわせて,今後さらに検討していくということであります。文部科学省
の国立大学法人評価委員会の方が,具体的な形で評価方法等の取りまとめまでには至って
いないということで,4月以降機構の中で国立大学教育研究評価委員会(仮称)を立ち上
げて,そこでさらに検討していくということにされたところでございます。
 以上が,国立大学の教育研究状況の評価に関する検討状況でございます。
 最後に資料6−10でございますけれども,現在考えている来年度以降の評価組織,国
立大学の教育研究の状況についての評価を担当する国立大学教育研究評価委員会,それか
ら大学の機関別認証評価について検討いたします大学機関別認証評価員,それから短期大
学,高等専門学校,法科大学院に関する認証評価について検討する評価委員会をそれぞれ
設置いたしまして,これらの委員会におきまして,その評価の実施方法,評価基準につい
てご決定いただき,実際の評価を担当していただき,具体的な評価の実施に当たっていた
だくということを現在検討しているところでございます。
 以上でございます。

○委員長 今,大学評価事業の今後の在り方について,さまざまな角度からご説明いただ
きましたが,色々ご意見ございましたらいただきたいと思いますので,よろしくお願いし
ます。
 特にないようでしたら,今後さらに検討していくということになろうと思います。
 本日の議題は以上でありますが,そのほか委員から何かご発言あればうかがいたいと思
いますので,もしございましたらお願いします。
 それでは,本日が大学評価委員会として最後の開催でありますので,木村機構長からご
挨拶いただきたいと思います。

※ 木村機構長より挨拶

○委員長 それでは,これで大学評価委員会を閉会します。

                                                                  ―― 了 ――

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