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           第19回大学評価委員会議事録

1 日   時  平成15年3月25日(火)14:00〜16:30

2 場   所  学士会館 210号室

3 出 席 者
 (委 員)阿部委員長,青山(善),磯部,内永,小野田,加藤,シェパー
      ド,鈴木(清),鈴木(賢),舘,徳田,蓮見,マルクス,山野
      井,山本,吉田の各委員
 (事務局)木村機構長,荒船副機構長,福島副機構長,川口評価研究部長,
      栗城管理部長,安間評価事業部長 他

4 前回の議事録の確認
   前回の議事録を確定版として配付した。

5 議 題
  (1)平成13年度着手分の評価結果に対する対象機関からの意見申立て
    への対応について
  (2)平成13年度着手分の大学評価の評価結果について
  (3)平成13年度着手の大学評価の対象機関に関する意見照会について

  その他
  (1)大学評価委員会専門委員の選考について
  (2)今後の大学評価の在り方について

6 議   事 (○:委員,●:事務局)

○委員長
 それでは定刻となりましたので,大学評価委員会を開催いたします。本日は
議事日程のその他として「今後の大学評価の在り方について」という検討委員
会の報告をさせていただくこととなっております。たいへん斬新な事柄となっ
ておりますので,十分時間をかけて各委員からご意見をいただきたいと思って
おります。


(1)平成13年度着手分の評価結果に対する対象機関からの意見申立てへの
  対応について

○委員長
 それでは議事に入らせていただきます。まず,平成13年度着手分の評価結
果に対する対象機関からの意見申立てへの対応についてご審議をお願いしたい
と思います。はじめに事務局よりご説明願います。

●事務局〈資料説明〉
 はい。資料2及び資料3を使ってご説明いたしますが,同じ内容について前
面のスクリーンを使ってお示ししたいと思います。前回1月末の大学評価委員
会で各専門委員会の主査から概要についてスクリーンを使ってご説明いただき
ましたが,今後もこういった形でお示しできればと思っております。
 まず,資料2の意見申立ての状況でございますが,1月末に開催されました
第18回の大学評価委員会でお認めいただきました平成13年度着手の評価結
果につきましては,直ちに各対象機関にその評価結果の原案をお送りしており
ます。そして2月の下旬までにその原案の内容について意見の申立てをお受け
したところでございますが,その意見申立ての状況を前面スクリーンでお示し
しております。全学テーマ別評価,分野別教育評価,分野別研究評価の全体で
65の組織から意見の申立てをいただいておりまして,その申立ての総数が1
59件となっております。ちなみに,その下に参考としてお示ししております
が,第1回目の平成12年度着手の評価では53の組織から167件の意見を
いただいております。この中でご留意いただきたいのが,かっこ内の全対象組
織数でございます。12年度の時は149組織を対象としておりましたが,今
回は全学テーマ別評価が2テーマ,分野別教育並びに研究評価がそれぞれ12
年度の2分野から3分野になったことによりまして,ほぼ2倍の262組織と
なっております。したがいまして,意見申立ての機関数の割合は前回の35.
6%であったものが,今回24.8%になっている状況でございます。
 続いて意見申立ての中身の状況がどのようになっているかというのが次のペ
ージの内容でございます。逐一の状況についてご説明する時間がございません
が,記述の削除を求めるもの,内容の修正・追加を求めるもの,水準自体の修
正を求めるものという区分けをしております。ご覧いただいているとおり,項
目の水準の修正を求めるものはそれほど多くなく,内容について現在の評価結
果原案では言葉が足りない,内容が十分理解されない,といったことが大半で
ございます。
 以上が全体的な状況でございますが,資料3でいくつかの具体的な状況を簡
単にご紹介したいと思います。意見の申立て及びその対応につきまして各対象
機関から来ました全内容及びその対応につきましては全体版を事前にCD-ROMで
お送りしております。今回は時間の関係もございますので,この中で特徴的な
もの,例えば,水準を変更したものや専門委員会でかなりご議論いただいたも
のについてご紹介をさせていただきます。
 まず最初に教養教育に関する○○大学の意見申立てでございます。教養教育
に関します評価結果は全般的に教育課程の編成状況については,それぞれの大
学の取組の状況が書いてありますが,他方で教育の効果については全体的に必
要なデータや根拠が不十分であるということから,5段階のうち上から3番目,
4番目の水準となっております。これを踏まえて○○大学から申立てがござい
まして,具体的には評価結果の中で専門教育を担当する立場から学生の習熟度
を把握できる根拠・データがない,また,専門教育を学んでいる立場からの根
拠・データの提示がないという評価結果に対しまして,○○大学からは教養教
育について専門教育担当教官や履修段階の学生から見た教養教育の効果を把握
することが妥当とは思えない,さらには,教養教育の効果に関する客観的妥当
性をもった調査方法が開発されていない段階において,このような項目を評価
指標に入れることは不適切である,ということでございます。
 これに対しまして専門委員会でご審議いただいたわけですが,結果といたし
まして,そもそも機構で勝手に観点をたてたわけでなく,それぞれの自己評価
書に記載された内容に沿って評価したものである。今回○○大学の場合におき
ましても,自己評価書の中で所要の観点が示されそれに対する自己評価が行わ
れていた。ところが自己評価に基づく根拠資料・データが示されていなかった
ということから,機構で勝手に観点を設定したものでなく,あくまでも目的・
目標に即して行うという原則を貫いたものであるということをお示ししており
ます。また,客観的妥当性をもった調査方法が開発されていない限り教養教育
の教育の効果の評価を行うべきでないと主張されておりますが,この評価自体
は要素の設定,さらには観点の設定といった関係で客観性・妥当性を持って行
われていること,また,目的及び目標に数値化を強いるものではないことを示
しております。
 続いて,教養教育の○○大学の評価報告書の11ページに該当する部分の状
況でございます。○○大学に関しましては,最終的に教育の効果の項目の水準
に変更があったものでございます。11ページの中段で,当初は「おおむね良
好な結果が得られている」と記述しておりましたが,「総合的な判断で
の・・・」と誤解を招く表現が見受けられたため修正しております。同じく1
1ページ下段の教育の効果の中で,サンプル調査をした結果否定的な意見も見
受けられた,「これらのことから一部問題があるが相応である。」としている
ことに関しまして,「否定的な意見があることをもって一部問題があるとする
ことはおかしい。」という意見があり,改めてデータ等を再確認した結果,肯
定的意見が14件,否定的意見が2件ということでございますが,肯定的意見
の中には教育の効果が得られていることを示す内容が含まれてており,否定的
意見があったわけでございますが,総合的には一定の効果を上げていることが
確認できたということから記述の修正を行っております。
 続きまして,全学テーマ別評価「研究活動面における社会との連携及び協
力」について,これも記述について変更したもので,○○大学のものでござい
ます。評価結果としましては,「状況を把握する取組がないことは問題があ
る。」としておりました。ところが申立てを踏まえまして再確認をした結果,
アンケート調査を実施していることが確認できた。他方,技術相談の実態把握
はこれからであるため,これらを総合的に勘案して相応であると判断し,修正
をしたということで,当初「問題がある」としておりました結論部分につきま
しては,「相応である」と変更しております。
 次に2ページおめくりいただきまして,分野別教育評価の状況でございます。
この中で法学系の教育評価の状況をお示ししておりますが,○○大学の申立て
でございます。申立ての内容・意見は,本年度は評価結果の取りまとめに当た
り対象機関側に書面調査段階での評価結果をお示しし,それから訪問調査段階
で評価結果をお示しして,最後に評価原案を示し,3回評価結果を対象機関に
お示ししてございました。○○大学の教育の内容面での取組につきましては,
書面調査段階での評価結果,実地調査の評価結果,この2回の評価結果では,
いずれも「十分貢献している」という一番上の評価結果をお示ししておりまし
た。ところが,最終段階の最終評価では,2段階目の「おおむね貢献してい
る」の評価に変更されたことに伴いまして,大学側からは,これは目的・目標
に即した評価ではなくて,最終結果の段階で各大学間の評価結果の横並びをみ
て,調整している。相対的に評価をされたものではないか。というようなご意
見が出されております。これにつきまして申立ての対応でございますが,原文
のままとするという形にしておりまして,その理由としてはまず,第一段落目
で,評価についての手続き関係を中心にまとめてございます。3つの評価チー
ムに分かれて,それぞれが大学に分かれて分担をして評価をして,またその過
程において評価チームごとの判断においては,専門委員会で調整,確認を行う。
2段階目でございますが,具体的に○○大学につきましては,これまでも書面
調査段階,訪問調査段階でもいくつかの指摘事項をしていたわけですけども,
評価項目の判定の考え方を例外的に適用して,十分貢献しているという水準を
示していた。ところが,最終的に専門委員会でもう一度精査したところ,やは
り判断方法の原則どおり行うことが必要であることからこの水準となったもの
であり,他大学との評価結果を相対的に比較して調整などを行ったものではな
いと明確にお示しをしております。
 また,訪問調査の段階でも評価結果をお示しするわけですが,訪問調査段階
の評価結果が最終結果ではなく,その後,専門委員会等を含めて変わることも
ありうるということを前提としてお示しをしている。
 また1ページおめくりいただくと研究評価についてですが,これは工学系の
研究評価で○○大学の申し出でございます。それぞれ研究内容及び水準につい
て全体の状況を何割とか,極めて高い・高い・相応であるとかをお示ししてあ
るのですが,大学の方からは,手続きが不明瞭であるとご意見をいただいてお
ります。
 これにつきましては,もうすでに自己評価実施要項ですとか,マニュアルに
おいて公表しておりますし,それぞれ手順についても通知申し上げていますの
で,十分にアカウンタビリティを果たしていることを確信しています。
 最後に教育学系の研究評価についてですが,対象機関からの申し立てをご覧
いただきますと,当初,評価原案では全国の様々な地域の課題に対処するなど
の貢献を提供していく余地があることをお示しいただきたいとしておりました。
それに対しまして,対象機関の方からは,機関の設置されている周辺地域の課
題に対して対応しているというようなご意見がございました。ところが,やは
り対象機関の全国性,また超地域性手段を持っていることを踏まえて,全国的
な様々な地域の課題に対する対応が必要であると,ただ報告書の内容がより正
確に伝わるよう,さらなる取組を期待するということで,これまで以上に全国
の様々な地域の課題に対処していくようにとコメントを入れさせてていただい
ております。
 その下につきましては,判定内容及び基準について,もっと明確にして欲し
い,特に研究成果は,教育への寄与が目的となっており,そういった機関別の
特色が十分に配慮されていないと申立てがありましたが,これにつきましても
理由を示しております。教育学系につきましては,対象と研究内容が広範に渡
っておりますが,研究内容の判定事項として,「教育実践への貢献」を設けて
いる。それからさらには,研究の目的及び目標並びに教員の構成及び対象組織
におかれている諸条件に照らした記述を考慮して行っていることから,従来ど
おりの記述とさせていただきます。
 その下は,わかりにくいという表現上の寄与度のことで,申立てを受けまし
て,貢献の寄与度をさらに考慮して,研究の内容に応じた個々人の共同研究の
役割などという形で,具体的な記述をしております。今ご覧いただきましたと
おり,それぞれの対象機関からの申立ての内容につきましては,それぞれの専
門委員会において,自己評価書や訪問調査やヒアリング等で提出いただいたデ
ータにつきまして,改めて,記述内容について検討いただき審議したものでご
ざいます。先ほどお話しましたように水準については,おおむね内容について
もう少し説明いただきたいということで納得していなかったのではないかと思
います。

○委員長
 今ご説明いただきました13年度着手分の評価結果に対する対象機関側の意
見の申立ての対応について,これから審議に入りたいと思いますが,ご意見ご
ざいますでしょうか。

○ 教養教育についての申立てですけれども,例えば9ページ目の○○大学,
評価方法が検討中である,だから今,評価できないと言っているわけですね。
日本経団連で最近,技術系の話ですが,数年間にわたり新入社員について,3
0社ほどの業種,各代表的な企業にアンケートを採りましたところ,第1にあ
がってきた問題点がですね,基礎学力の不足というのが出ておりまして,語学,
物理,化学,生物,そのベースたる数学ですね,こういう問題は,教養課程の
問題なのか,あるいは,学部における前半の2年間かはわかりませんが,専門
の話なのか,当然マスターやドクターの話ではないことははっきりしていると
思うのです。その意味では,専門委員会でも問題意識がありまして,教養課程
の意義というのが何なのか,出てきている問題の1つは基礎学力の不足がある。
これは11業種にわたる代表的な企業で,したがって入ってくる70%は修士,
25%は学士でしょうか,5%ぐらいは博士だという意味です。業種は広くわ
たっていますから,学部や学科が広くわたっています。ですが,そういうこと
とは関係なく,総じて同じコメントが出ている。この点については,私どもと
しては,教養課程に評価できないというような内容は,これからどうやって進
歩させてやった方がいいのかなという問題意識がございます。ご意見がありま
したらお返しいただけたらと思います。

● 確かに今回の評価結果では,教育の効果に関しては,対象機関から十分な
データですとか,根拠がお示しできなかったとありますが,他方これは,教育
効果自体について,効果がないというわけではなくて,あくまでも各大学につ
いては,それぞれ教養教育について様々な取組をなさっているのも事実であり
ますし,教養課程の編成等についても,様々な具体例があります。ただ,今回
の13年度時点の評価においては,2〜3年前の取組状況がまだ十分に大学の
中で結果をデータとして整理されてないという段階でして,むしろこういった
取組状況については,申請のあった段階で分けるやり方もあったし,教育効果
がデータがないので判定できないということではないと思います。

● 付け加えましょう。まず最初の基礎学力が不足している云々という点では
ですね,まさに仰るとおりだと思います。すべてとは申しませんが,かなりの
部分は,旧教養部,旧一般教育,現在,教養と呼ばれているその部分の問題が
かなり大きいと思います。○○大学に関しましてはですね,この大学のヒアリ
ングに同席し,むしろかなり議論いたしました。ご指摘のように評価できない
というように○○大学の方から質問にもあってですね,それに関して私は,そ
んなことはないだろうと,大学教育を評価する時に1年生,2年生の時の効果
をちゃんと評価しないといけないんだと。例えば,先方の方が理科系の方だっ
たもんですから,力学を教える立場から言って,英語力がどうであるかなどは,
当然,専門課程の立場から評価できるはずだし,やらないといけないと,まぁ
そういうものの積み立てである。そのことに関しては,ご理解いただいて,こ
ういう質問はこないかなあと思っていたのですが,同じ質問がきました。評価
方法がないということに関しまして,勿論,私どもパーフェクトのものを持っ
ているとは限りませんが,やはり各大学色々な努力をされいて,評価をし,そ
れをフィードバックしながら改善に努めているのですので,まったく評価方法
がないというわけではないでしょう。あるいは,大学人がそういった評価をし
ながら,改善をする必要があるのではないでしょうかということも申し上げま
した。

○ 大学それぞれ独自の考え方がございますから,こういう評価項目でやるべ
きだとは,こちらで言うべきことではないですね。ただ,明確にして欲しいと
いう要請を出さないと評価にならないわけです。それは私はできると思んです
ね,何らかの形でこのような問題はよくなるとは思うのです。一応教養課程は
大事だと思うのですが,ぜひ機構側としても要請をするといいのではないでし
ょうか。

○ 今のお話なんですが,そもそも教養教育に求められているものを考えた場
合,学力というものも重要だと思うのですが,そういう観点だけで評価する手
法は,大学でそれぞれスタンスが違うと思いますので,どういう基準を持って
いくかというのが,大きな問題となるのじゃないのかと,いくつかの大学の評
価を読ませていただいて感じたことなんですが。

○ 私も非常に迷ったところであるのですが,教養教育の教養という言葉が色
んな形で皆さん理解されておられるなと感じ取りました。勿論基本として言え
ば,文科省が示されている,いわゆる,幅広い深い教養云々という旧ヨーロッ
パ型の教養教育の定義になっているかと思いますが,現実としては,語学で代
表されるもの,また情報やコンピュータ,この2つは完全なリテラシーの実は
教育になっている。それから専門の基礎的な先ほどのお話のようなものも入っ
ている。それとともにまさに総合的な見地を養うようなものも入っている。そ
れぞれ性格が違うわけで,それぞれ評価の仕方も違うわけで,そういうものに
対して結構努力をされて評価をしている大学もある。こういうことの情報が水
平的に流れていくとそれぞれの大学で1歩2歩と進んでいくのではないかと。
もう一つ言いますと,こういうことを研究する日本はアカデミックソサエティ
ーがきっちりしていないというふうに解釈できます。これは欧米諸国に比べて
非常に遅れている体制ではないのかと。その点も今後,こういうことを機会に
立ち上がってくるのではないかと期待しております。

○ ちょっと違う質問になるのですが,今,評価結果に対する意見申立ての状
況ということとその対応ということでお話いただいと思うのですが,これは結
論から言うと評価結果に対しては,皆さんよくわかったということを仰ってい
るのか,それとも評価の仕方に対してですね,同じ考え方が出来てないので,
どうも評価に対する意見が沢山あってですね,その辺の違いが多いということ
なのか。その辺を分析された結果がどうであったのか,それぞれが見て判るの
ですが,結果がどうであったのかということを教えていただけるとありがたい
のですが。

● 今回の意見の申立ての対象と言いますか,対象機関から出てきた中身と言
うのは,あくまでも自己評価書に基づいて機構が専門委員会を中心として取り
纏めをいただいた評価結果の記述の内容についてでございまして,評価のそも
そもの考え方ですとか内容ですとか方法こういった制度面の問題につきまして
は,今回の申立ての議論の対象外とさせていただいて,また後ほどご説明いた
しますが,全体の評価が終わった段階でですね,制度論やそもそも論などを含
めてご意見がある場合は,教えていただきたいとご照会の予定です。ですから
今回の意見の申立てというのは,あくまでも各対象機関にお渡しした評価報告
書の内容について,記述の内容,判断の内容についてご意見がある場合,根拠
を示してお出し下さいということですので,そもそも論などは対象外となって
おります。

○ ごめんなさい。私はそもそものプロセスというのはちょっと置いといてで
すね,現在の評価したものに対して受け取られた方は,それなりの異議申立て
をなさってですね,中身を見ると字句の書き方の問題ですとか判断が色々とあ
ると思うのですが,そのことに対しておおむね皆さん納得しているのか,それ
とも,まだかなり評価したことにまだ反論が残っているのかその辺ことをお伺
いしたいのですが。

● 今のご質問に直接の答えになるかどうかわかりませんが,おそらく定性的
にはですね昨年の意見申立てと今年を比較した感想を述べさせていただくと,
多少のご返事になるかと思います。例えば,数の上では減りましたが,内容的
には,昨年の場合は,そもそも評価の実施や評価作業に対する色んな意見が多
かったと思います。今年はかなりそういうものも減って,ご質問の評価結果が
妥当になったのか,評価を受けた方が慣れてきたのかどっちかよくわかりませ
んが,かなり意見申立ての内容がですね,ある大学の判断に対する質問とかで
すね,そういう意味では,自分達で色々な資料があると思いますけど,こうい
うことに関してはかなり理解されてきたのではないかと思います。後ほどご説
明しますが,私ども昨年から多数のアンケート結果がありますので,それを整
理してですね,結論をお示しできるのではないかと思います。感じとしてはそ
のような状況です。

○委員長  何か他にご意見があろうかと思いますが,特にですね修正のご意
見がなければ,一応原案のとおり了承ということにしたいと思いますが,いか
がでしょうか。

                            (異議なし。)

(2)	平成13年度着手分の大学評価の評価結果について

○委員長
 それでは,続きまして平成13年度着手分の大学評価の評価結果についてご
審議願いたいと思います。はじめに事務局からご説明願います。

●事務局〈資料説明〉
 それでは資料4をご覧願います。大学評価の評価結果について,いわゆるオ
ーバービューと称しているものですが,各対象機関にお返します評価報告書全
部で262冊からなっております。この中身について全体的な状況等及び大学
評価・学位授与機構の行う評価の概要等を整理いたしまして,社会の方に分か
りやすくお示しするという目的で作製しております。
 まず,1ページお開きいただきまして,「はじめに」とあります。4段落か
らなっておりますが,最初の2段落ではこれまでの経緯,また評価報告書全部
で262冊ございますが,それぞれの評価区分ごとに何組織を対象としたかを
お示ししております。3段落目では本冊子の目的・性格をお示ししております。
本冊子は評価結果を分かりやすく社会に示すために報告書とともに発行するも
のであり,評価結果の全般的な状況を示すとともに機構の評価の役割と評価法
を解説した。それから,評価の実施を通じて認識された課題を記している。ま
たそうは言いながら,評価結果についてはこの冊子だけですべてご理解いただ
くことは本来の趣旨ではない。あくまでも各対象機関の自己評価書により記述
してまとめた報告書が中心となっている。その報告書それぞれについて改めて
ご覧いただき適切にご利用いただくことをお示ししております。第4段落目は,
今後の評価の平成14年度着手分についてお示ししております。
 次に目次でございます。これで全体の構成がご覧いただけると思います。今
ご説明しました「はじめに」の次に第1章としまして機構が行う評価の目的や
特徴,実施の経緯,評価結果の記述をお示ししております。2章につきまして
は,各評価区分ごとの内容になっております。その構成でございますが,まず,
1で評価の対象,対象機関,評価の実施体制,評価項目,評価の方法,意見の
申立ての状況等についてお示ししております。続いて,2評価結果の全般的な
状況として,それぞれの項目,要素ごとにこういった状況が見られるというこ
とを整理し,3番目として評価実施過程においてどのような諸課題があり,ど
のような対応をしたかをお示ししております。なお,§2全学テーマ別評価
「研究活動面における社会との連携及び協力」のみ,2番目に「対象機関にお
ける目的及び目標,取組や活動の状況」の項目を設けております。この評価区
分におきましてはテーマの性格によるものかもしれませんが,目的・目標がバ
ラエティに富んでいる,活動についても様々な特徴があることから設けており
ます。1ページおめくりいただきまして,目次の一番最後に第3章といたしま
して各評価区分ごとの評価の実施を通じて共通に認識された課題と今後に向け
ての改善方策をお示ししております。そして,「おわりに」でございます。
 次に,1ページが第1章で全体的なアウトラインでございます。評価の目的,
評価の特徴として今回の評価区分でどういった評価を実施したか,それからこ
の評価の特徴であります,「目的及び目標に即した評価」,「自己評価に即し
た評価」である,それから12年度着手の評価を踏まえて改善した点はこうで
ある。1ページおめくりいただきまして,評価の実施過程でどういった改善を
共通的に行ったか,それから評価の開始から報告までどういった内容を行って
きたかということ。評価結果の記述は5段階の記述で整理して示しているとい
うこと。一番最後でございますが,これらの水準は大学等間で相対比較するこ
とは意味を持たないということをお示ししております。
 5ページ以降の2章は先ほどお示ししましたように,各評価区分ごとの状況
でございます。これにつきましては,それぞれの評価報告書の中身を横断的に
見た上での全般的な状況をお示ししております。構成については各評価区分ご
とに同じでございますので,逐一の説明は省略させていただいて,教養教育を
例にして簡単に概略を説明いたします。まず,1−1として評価の対象につい
てお示ししております。1−2で対象機関。それから実施体制として何人の専
門委員・評価員で構成しているか。評価項目としてどのような項目を取り上げ
たか。評価の方法としてそれぞれの観点ごと,要素,そして項目ごとに評価を
積み上げていくことを示し。次に意見の申立ての状況。をまず1番目にお示し
しております。
 7ページ以降は具体的な全般的な状況でございます。四角く囲っているもの
がそれぞれの評価項目でございます。その下にひし形で示しているものがそれ
ぞれの要素になりますが,それぞれの要素の中で観点ごとにどのような状況で
あるかということを逐一お示しし,最後の9ページになりますが,これを踏ま
えて全対象大学を通じた5段階の水準がどのようになっているかということを
表にしてお示ししております。そしてその次に,特に優れた点及び改善を要す
る点等としてどういうことがあるかを記述しております。以下の項目も同じで
ございまして,最後に14ページ目になりますが,項目ごとの評価を通じた上
での諸課題への対応を3として,目的・目標の整理状況と観点の設定について,
またデータが不足したこととそれについてどう対応したか,水準の判定につい
てどういうことを行ったか,先ほどご説明いたしました教育の効果の評価につ
いてどういう困難があったか,それにどう取り組んだか,16ページ目では特
記事項についての所見を付さないこととした理由等を整理し,記述しておりま
す。
 以下各評価区分ごとに同じような整理をしておりまして,最後に85ページ
目の3章になりますが,全評価区分を通じて共通に認識された課題とそれに対
してどういった改善方策をとっているかについてお示ししております。まず,
1番目として14年度着手の評価に向けてどういった取組をしているか,各対
象機関,関係機関それから評価担当の先生方からどのように意見を伺っている
か,その結果どういったご意見があって,それを踏まえてどういった取組をし
たかをそれぞれ2−1,2−2,2−3としてお示ししております。これらに
つきましては,12月の大学評価委員会でもお示ししたとおり,14年度の実
施大綱,評価の内容・方法に反映しているところでござます。ただし,反映し
きれない制度的な問題もございますので,そういった点については2−8に今
後の課題としてまとめて将来的な検討に役立てていきたいとしてお示ししてお
ります。
 89ページに「おわりに」がございますが,ここでは評価について,大学評
価委員会委員,専門委員,評価員の多大な貢献のもとに作成されたものである。
なおそれだけでなく,幅広い関係者の協力の下に実施され,色々な意見をいた
だいた,これについてはできるだけ対処をはかるとともに,残る問題について
も今後のシステムの改善に反映していきたいということを前半で述べて,2段
目では後ほどご審議いただくわけですが,国立大学の法人化,認証評価など
様々な新しい評価について別途検討会議を設けて検討していることを記述し,
関係各位のご助言・ご協力を期待することとしております。
 この資料4については評価結果とともに公表し,ホームページ等にも掲載す
ることとしております。なお,本日ご審議いただきご了解をいただきました折
には明日記者発表することとなります。また,評価結果等につきましては平成
12年度着手と同様に,後日となりますが冊子媒体として刊行し,各対象機関
や委員等に配付したいと思います。以上でございます。

○委員長
 今ご説明いただきました平成13年度着手分の大学評価の評価結果について,
昨年と比べてかなり長文になりますが,ご審議いただきたいと思いますのでご
意見がございましたらお願いいたします。

○ 教養教育と研究連携の最後の検討課題のところですが,研究連携の方が2
項目多いだけで後の文言がほとんど同じになっているのですが,これはちょっ
とまずいのではないかと思うのですが,いかがなのでしょうか。

● この課題につきましては専門委員の皆様方,評価員の皆様方にアンケート
調査をしていただいたものでござます。それを反映するような形にしておりま
すが,一方で評価区分に共通するものは3章にまとめたりしたものでございま
して,作為的にしたものではございませんで,色々なご意見をいただきそれら
の意見をまとめると,全学テーマという評価の特色もあるかもしれませんが,
結果的に同じようなご意見を頂戴したということでございまして,操作してい
るということはございません。そのへんで問題がありましたら検討したいと思
います。

○ 内容が同じになるのは構わないと思いますが,文言まで同じになると,な
にか文章がカテゴリー化されているようで,このケースでは入れるというふう
になっているように思われるのではないかと危惧したものです。

● このまとめにつきましては先ほどご説明したとおりですが,もう一つは現
在89ページにもわたる内容になっており,分量的にも厚くなりまして意見の
内容の詳細についてご説明を入れるとまたかなり長くなってしまいまして,そ
れの要点をかいつまんで入れると表現が似通ってしまったということがあると
思います。

● ただいまご説明いたしましたが,非常にたくさんのご意見を大学評価委員,
専門委員,評価員の方々からいただきましてとてもここに書ききれるものでは
ございません。この資料4につきましては昨年は20ページ弱でございました
ものがかなり厚くなっており,圧縮してまとめた結果同じような内容になった
のではないかと思います。実は非常にたくさんのご意見をいただきましてここ
に反映されていないとご不満をお持ちの方もあるかもしれませんが,今回いた
だいたご意見をはじめ,各ステップで対象機関などからもいただいたご意見も
含めて評価研究部で項目別に整理しておりまして,また今回の結果を公表した
後に対象機関等からいただいた意見も含めまして,その結果をまとめて整理を
いたしまして6月頃になるとは思いますが公表させていただきたいと思ってお
ります。そのうえで今後の方針の構築に役立てるとともに,これは私個人の意
見で難しいかもしれませんが,これを各対象機関にフィードバックしたときに,
改善に資するといっていることから,実際に評価結果がどう改善に役立ってい
るかをお聞きしたいと思っております。今回の内容につきましては非常にコン
パクトになってしまったためにご不満もあるかもしれませんが,ぜひともご理
解いただきたいと思います。

○ 今のご意見が今回の評価全体を通じているキャラクターをご指摘になられ
たのではないかと思っています。我々は実際に評価に当たりながら評価員の
方々には,最初の段階では評価員一人一人がするけれども最終段階は機構がす
るのです,そこで無人格化されることを覚悟してやらなければいけない,そう
いうシステムである。その結果しかるべき現象に対してそれを表す言語は統一
される宿命にあるのではないかといっておりました。ここの部分もそういう意
識の基にあえて同じ言葉を用いて表現されたのではないかと思っております。
それが機構のシステムのやり方ではないかと思います。

○ 今お話があったのですが,ここで述べられているのは評価としての在り方
をどのように進化させていくかということについてで,12年度を踏まえて1
3年度どれだけ進化させてきたかということだと思うのです。一方評価の目的
というところで教育研究活動等の改善に役立てるということが評価をやってい
ることの真の目的だと思います。また,第2段で広く国民の理解と支持を得ら
れるというふうになりますと,さらに一部問題があるが相応で判断された大学
については国民としてはその後どのような形になったのだろうかということが
一番知りたいことだと思いますので,今後大きな課題として押さえていく必要
があると思います。

○ 今のご意見によく似ているのですが,文章をずっと追っていきますと優れ
ているが4割ある5割あるという数値がでてくるのですが,結果としてどのよ
うな形になったかというのがわかりにくくて,多岐にわたっているのでそう簡
単にできないというのはわかるのですが,せめて前回と今回でどう違ったのか,
どのくらいよくなったかというようなものがないとよくわからないので,その
ようなポイントも加えていただくとありがたいと思うのですが。全体のトレン
ドとしてどうなっているのか,たとえば意見の申立てにしてもかなり減ってき
て,評価に対してみんなが評価されるあるいは評価するということに対してあ
る程度土壌ができてきた,それに対して前回はよくなかったことに対して今回
はよくなったなど,そういったことが2回だけですと難しいのかもしれません
が,そういった観点を加えていただくとわかりやすいのかなと感じております。

○ 私自身も今のお話の中で思うことは,12年度・13年度と分野について
も色々な側面をとられて行っていると思います。現在は,あるテーマを継続し
て行っていないのですべて単年度の評価になっています。始めたばかりで色々
な分野にトライしている段階だと思いますので,今後の課題として,継続的な
部分をどうしていくかということがあると思います。

● 今お答えしようと思っておりましたが,確かにおっしゃるとおり昨年はこ
うだったが今年はどうであったかということが書けるとよいのですが,全学テ
ーマ別評価のテーマは違いますし,分野も違うものを違う大学で行っておりま
して,単純に比較することはできません。これはこれからの評価も同じですが,
たとえば全学テーマ別評価ですとテーマは違いますが大学としては自己評価書
を作る作業に関しては経験を積んできました,ただ直接的に比べるものがあり
ませんので漠然としたことしか言えませんが,そのような状況でございます。

○ たとえば分野が違うのはしょうがないと思いますが,すべてではないにし
てもなにか共通で見られるものというのはないのでしょうか。

● 直接的なお答えになるかどうかわかりませんが,今年大学に対して特に強
く申し上げたことはデータ不足です。教養教育の教育の効果が悪い最大の理由
は,教育の効果がないわけではなく,我々がそれを立証するデータがないとい
うことです。それに関しましては評価研究部で別途データベース構築のシンポ
ジウムなどを開くなどしておりますので,3年目はおそらく進歩してくるので
はないかと期待しております。

○委員長
 日本の大学ができてから100年以上たっておりますが,評価が公的に行わ
れるのはこれが初めてでまだ数年しか経っておりませんので,この3年を過ぎ
て各大学が経験を積んで,またこの評価委員会も経験を積んでいくことになり
ますので,性急に進んでいくとは限りませんが,今いただいた意見を今後の改
善に役立てていただきたいと思います。
 色々ご意見がございますが,この問題については原案のとおりご了承いただ
いたものとして当委員会の終了後評価結果と併せて評価対象機関に通知・公表
していただきたいと思います。よろしいでしょうか。


(3)平成13年度着手の大学評価の対象機関に関する意見照会について

○委員長
 3番目の議題として平成13年度着手の大学評価の対象機関に関する意見照
会について配付資料の5でございますが,これについて事務局よりご説明願い
ます。

●事務局〈資料説明〉
 資料5でございますが,この評価結果の公表をもちまして平成13年度着手
の評価が終了するわけでございますが,各対象機関,関係団体等に全般的なご
意見を照会いたします。これにつきましては平成12年度着手の評価につきま
しても行ったわけでございますが,その際には様式を定めず,広くご意見を頂
戴したわけですが,先ほどご説明がございましたように,現在評価研究部でこ
れまで色々いただいたご意見について分析・整理をしている最中でございます。
それとの関係も含めまして今回の意見につきましては様式を定めさせていただ
きまして,1番目が内容・方法について,2番目が実施運営に関すること,3
番目がその他という項目に整理いたしましてご意見をいただきたいと思います。
また,このご意見につきましては原文のままホームページに掲載したいと思っ
ておりまして,この回答期限につきましては4月30日までとして各機関に照
会したいと思います。この結果につきましては今後の評価委員会の席上でご紹
介したいと思います。

○委員長
 今ご説明いただきました意見照会についてご質問等がありましたらお願いい
たします。

○ たとえば経済団体に照会するのはどういうお答えをどういう形で期待され
ているのでしょうか。

● 経済団体の方々には実施大綱や要項の段階で評価の内容・方法等について
ご意見を伺っております。さらに経済団体には専門委員等のご推薦もいただい
ております。そうしますと専門委員等として評価に当たっていただいた際のご
苦労いただいた点やご意見もあると思いますのでそのようなものも幅広く頂戴
したいという趣旨でございます。

○ 個人なのか組織なのかの判断がちょっと難しくなりそうですね。

○ どのような形になるか分かりませんが,例えば日本経団連であれば企業に
聞くことになるでしょうね。企業の採用担当者などに意見を聞いて,それを日
本経団連がまとめて答えることになるのではないかと思います。学生さんを受
け入れる立場としては色々な意見が出てくるのではないかと思います。

○ 大学関係団体には日本私立大学連盟という組織もあるかと思いますがそれ
はなぜ意見照会先に載っていないのでしょうか。

○委員長
 私立大学は3団体ありますが,その全体を団体連合会がまとめています。
 他にございますでしょうか。
 それでは特に修正等のご意見がなければ原案のとおり了承いただいたものと
して速やかに実施していただきたいと思います。


その他

(1)大学評価委員会専門委員の選考について

○委員長
 それでは2点の事項についてご報告がありますので,まず1つは専門委員の
選考についてですが,事務局よりご説明願います。

●事務局〈資料説明〉
 ご報告でございますが,資料6でございます。平成14年度着手の評価では
分野別教育・研究評価で総合科学を実施することとしておりますが,その総合
科学の対象大学として要請のありました公立大学,具体的には福岡女子大学の
人間環境学部でございますが,その人間環境学部はもともと家政学部を発展・
改組したということで,中にかなり家政系の先生方が多くいらっしゃることか
らこの先生方の業績等を把握し,また評価についての内容・方法等を検討する
際にも従来の専門委員ではなかなか対応ができないことから,今回新たに2名
の専門委員を追加選考していただくものです。資料にもございますように3月
4日に開催されました運営委員会でご了承いただきましたが,候補者としまし
ては脊山洋右氏と片山倫子氏です。脊山氏におかれましては日本栄養・食糧学
会の会長でございます。また片山先生におかれては日本家政学会の副会長でご
ざいまして,このお二人に専門委員としてお入りいただくということで,4月
1日に発令をさせていただきたいということでございます。


(2)今後の大学評価の在り方について

○委員長
 それでは次に今後の大学評価の在り方についてですが,この件については大
学評価・学位授与機構の今後の在り方に関する検討会議でこれまで4回の審議
が行われて現在中間まとめの審議が行われているところでございます。本日は
この中間まとめの案についてご意見をいただきたいと考えておりますのでよろ
しくお願いいたします。まず事務局からご説明をお願いします。

●事務局〈資料説明〉
 それでは資料7−1〜7−3に基づきましてご説明申し上げたいと思います。
本日は重要なご意見をいただきましたが,本来なら試行で行いました機構の評
価について,どういうところに課題があり,どのように成果が上がっているか
を検証して新しい制度を検討していくのが本来のやり方だと思いますが,国立
大学の法人化ということで平成16年度から法人化になり,また16年度から
国・公・私立大学を対象とした認証評価があるということで,直ちに新しい制
度に機構として対応しなければならないという状況でございますので,試行で
行いました評価について検証を行いつつ,並行して新しい制度の在り方につい
て考えざるを得ない状況になっているわけでございます。そういうことで昨年
から機構の今後の評価の在り方に関する検討会議を設置いたしまして検討を進
めてまいりました。資料7−1をご覧いただきますとメンバーは機構の評議員,
運営委員会委員,大学評価委員から構成されておりまして,この委員会からは
7名の委員にご参加いただいているわけでございます。3ページ目のこれまで
の検討経緯につきましては過去4回開催しておりまして,2月14日に中間ま
とめ案についての審議を行いました。2月14日ですべて決まったわけではご
ざいませんで,評議員会,運営委員会,大学評価委員会でご意見をお聞きし,
それを踏まえてもう一度中間まとめ案について審議をし,その後関係団体に意
見照会をする手続きをとることとしております。
 資料7−2が2月14日に提出いたしました中間まとめの案でございます。
これにつきましては2月14日にかなり基本的問題も含めまして様々なご意見
をいただきまして今後修文作業を行うこととなっております。修文を行うに当
たりましては先ほどご説明いたしましたが,この大学評価委員会等でお伺いし
ましたご意見を踏まえて行うこととなっておりますので,この内容につきまし
て少しポイントとなる点をご説明させていただきたいと思います。
 目次でございますが,?が検討の背景,?が今後の基本的な考え方,?が認
証評価,?が国立大学法人の評価,?が高等専門学校の評価,?が調査研究,
?が評価情報の収集・整理・提供,?がその他という形で全体を構成しており
ます。
 次ページの「はじめに」の部分でございますけれど,これにつきましては検
討の経緯について整理している箇所でございますので省略させていただきたい
と思います。
 その次の2ページになりますが,検討の背景ということでございます。
(1)の部分は機構がこれまで行ってきました評価事業の経緯について整理し
ておりますので,これも省略させていただきまして,(3)のところに機構を
取り巻く環境の変化といたしまして,先ほど申し上げましたが,1つは国立大
学の法人化ということ,それから2つ目として昨年8月の中央教育審議会の答
申に基づきまして認証評価制度,第三者評価制度が制度化され,昨年12月の
学校教育法の改正により制度化されたわけですが,そのような状況についてま
とめているところでございます。3ページにまいりまして,昨年8月の中教審
の答申におきまして,これまで機構は私立大学は評価の対象としないというこ
とで法令上定められておりましたけれども,この答申では私立大学においても
機構の評価を活用できるような提言がなされているところでございます。
 3ページの中段以降でございますが,「今後の評価事業実施の基本的考え
方」という部分でございます。今後実施すべき評価事業,評価の対象といたし
まして,学校教育法の改正に基づいて制度化されました認証評価,この中には
機関別第三者評価と法科大学院等の専門分野別第三者評価があるわけでござい
ます。(2)のところで国立大学法人の評価につきましては,今通常国会にこ
こでは提出される予定であると書いてありますが,2月28日に閣議決定され
まして国立大学法人法案ということですでに国会に提出されておりますが,文
部科学省に設けられます国立大学法人評価委員会が評価をすることとなってお
りますけれど,その一部を機構に委託して評価を実施することとなっておりま
す。この法案の中には機構に対して国立大学及び共同利用機関の教育研究の状
況についての評価の実施を要請し,当該評価の結果を尊重して評価を行わなけ
ればならないということで,法案の中で教育研究面については機構の評価を尊
重して国立大学法人評価委員会が評価を行わなければならないという明文の規
定が置かれているところでございます。4ページにまいりまして,(3)のと
ころは認証評価のところでございますけれど,認証評価につきましては第3段
落目に結論が書いてありますが,「機構は,国立大学法人の評価にとどまらず,
認証評価機関として,国・公・私立大学を対象とした機関別第三者評価,法科
大学院に係る専門分野別第三者評価など,社会的要請の強い多様な評価事業に
積極的に対応していくことが必要である。」という結論にしております。機構
はそもそも国・公・私立大学の評価を行う機関として設立されたという経緯が
ございますし,また,我が国の第三者評価はまだまだ定着していない中で機構
としても第三者評価に積極的に対応していくことが必要であるという結論にな
っております。(4)のところで,「現行方式による平成15年度からの本格
実施は行わない。」としております。
 2の「評価の目的」でございますけれど,(1)に現行の評価の目的として
各大学の教育研究の充実に資するということと,公共的機関としての大学の社
会に対する説明責任を果たすということが現行の評価の目的となっているわけ
でございますが,(2)にございますように,現在の評価の目的というのは今
後とも評価事業の共通の目的として維持することが必要であるとしております。
(3)のところで認証評価制度につきましては,大学の質の保証に係るシステ
ムの一環として位置付けられているということ,また今後の高等教育の国際的
な質の保証というものが大きな課題となっている中で,機構としても我が国の
大学の教育研究等の質について保証していくことが評価の国際的通用力の観点
からも重要であることから,新たに質の保証というものを機構の評価の目的と
して位置付けることが適当であるとしております。
 それから,5ページの「評価の実施方法等」というところでございます。こ
こでは新しい国立大学法人の評価,認証評価の共通的な評価事業の柱として5
点掲げております。まず第1点が,各大学の目的・目標に即した評価というこ
とで,大学の個性や特色が十二分に発揮できるよう,目的・目標に即した評価
ということについては今後とも重要な柱としていくことが適当であるとしてお
ります。?として,大学の主体的な取組を支援・促進するため,各大学の自己
評価を踏まえて,当該分野の専門家等による評価を行うこととしております。
?として,大学の教育研究活動について評価項目ごとの多面的な評価を行い,
改善に資するとしております。?では各大学の教育研究活動に対する優れた点
や改善点を指摘するとしております。?では評価結果については各大学の教育
研究の改善に役立てるために各大学に通知するとともに,教育研究活動の状況
や成果を明らかにするために,大学に通知した内容をそのまま社会に公表する
こととしております。また,(2)では先ほどもご説明いたしましたが,高等
教育の国際的な質の保証が課題になりつつあることを踏まえまして,諸外国の
評価機関等との協力体制やネットワークの構築の推進が必要であるとしており
ます。
 次の「自立性・独立性の確保」についてでございますが,機構についても国
立大学と同様に法人化されることが予定されておりますので,法人化後も第三
者評価機関として大学関係者や有識者の幅広い参画をいただいて,自立した組
織として存在するとともに,行政から独立した立場で評価を行う必要があると
しております。
 次に6ページの?の「認証評価」でございますが,機構がこの認証評価を行
うには文部科学大臣の認証を受けた機関,認証評価機関と申しておりますが,
その認証を受ける必要があります。この認証評価機関になるためには広く門戸
を開くということが条件でございますので,すべての国公私立大学が対象とな
ることから,このことを踏まえた評価の実施方法を構築していくことが必要で
あるということで基本的考え方を整理しております。
 その次の認証評価の実施方法・実施プロセスでございますが,(?)で各大
学の目的・目標が高等教育レベルかどうかの確認を行う必要があるということ
でございます。(?)で「各大学の目的・目標に即して,評価項目ごとの状況
について各大学の自己評価を踏まえ,4〜5段階により判定する」これは現在
行っております「十分貢献している」,「おおむね貢献している」という形で
判定してはどうかということでございます。(?)では最低限の条件を満たし
ているかどうかという観点から,4〜5段階のうち,最低段階についてはその
項目について大学として求められる最低レベルに満たない段階と位置付けては
どうかということでございます。(?)のところで,目的・目標が高等教育レベ
ルでない場合,あるいは,最低段階の評価項目がある場合については,大学全
体として最低限の条件を満たしていないものと位置付けまして,その旨を指摘・
公表してはどうかということでございます。それから7ページの(?)で,現
在大学として行われている優れた取組や改善点の指摘を行う。(?)のところ
で,最低限の条件を満たしていない場合についてはその後のフォローアップに
ついても検討していく必要があるということでございます。
 ?の評価単位でございますけれど,大学全体で段階の判定を行うのか,それ
とも学部・研究科ごとに判定を行うのかということにつきましては,検討会議
においても議論になりました。ここでは大学全体としての目的の明確化,ある
いは大学運営に対する全学的な取組の充実・評価ということが非常に重要にな
ってきていることから評価単位は原則として大学全体としてはどうか,ただ,
大学全体を判定する場合には当然その学部・研究科ごとに分析を行って,その
結果に基づいて判定を行うということでございます。ただ,評価項目に応じて
は学部・研究科等ごとに段階の判定を行う,あるいは最低限の条件を満たして
いるかどうかという判定を行うということについては,今後の検討課題という
形で整理しております。
 それから,(2)の「評価項目」でございますが,認証評価については国・
公・私立大学すべてが対象となることを勘案しますと,教育を中心とした評価
項目としてはどうかということでございます。研究については,適切な教育を
実施するために必要な研究活動が実施されているかどうか,管理運営について
は,適切な教育を実施するために必要な管理運営体制が構築されているか,将
来にわたって教育活動を継続できる経営・財政基盤を有しているかどうか,と
いう観点から評価を行ってはどうかということでございます。また,評価項目
の精選・大綱化を図るとしております。?のところで,現在行っております研
究水準,研究の成果等についての評価,あるいは研究の実施体制の評価,また
は社会との連携,国際交流等の項目については,選択的な項目として検討して
はどうかとしております。
 それから(3)の「評価基準」でございますけれど,?では評価基準には評
価項目及びその構成要素に係る分析の観点等を記載するとしており,現在観点
にしたがって評価をしておりますけれどそういうものも評価基準として整理し
てはどうかということでございます。?では,評価基準の設定に当たっては画
一化が生じないような基準となるよう留意する。また,その精選を図っていく
ということで,一番最後に2枚別紙を付けておりますが,認証評価に関する評
価基準及び実施方法の具体的イメージを付けさせていただいておりまして,現
在実施しております評価の項目,それから評価の観点を参考にいたしまして,
評価基準の具体的イメージを示しているのが別紙でございます。
 それから7ページに戻りまして,「評価方法」につきましては,書面調査及
び訪問調査により実施するとしております。
 8ページにまいりまして,「評価組織」につきましては評価委員会の下に分
野横断的な評価チームを設置して実施してはどうかとしております。
 「評価結果の公表」につきましては,現在と同様でございます。
 「評価の周期」につきましては,原則として7年としつつ,大学の判断でこ
れより短い期間での評価も実施することとする方向で検討するということで,
法令上7年以内という定めが置かれる予定でございますが,一応7年というこ
とを原則としながら,国立大学法人の場合は6年で中期目標を策定することと
なっておりますので,国立大学の場合はたとえば6年という周期でもよいとい
うことでございます。
 「評価費用」につきましては,適正な評価手数料を徴収するとしております。
 (9)の短期大学につきましても認証評価が義務づけられるということで,
他の評価機関の動向を踏まえて検討してはどうか,実施する場合にはより重点
化・簡素化して実施してはどうかということでございます。
 3のところは専門分野別評価の実施方法等でございます。専門分野別評価に
つきましては,法律上専門職大学院について評価が義務づけられております。
その中で,特に法科大学院につきましては,早急に第三者評価を実施すること
が求められておりますので,「法学分野の教育・研究評価の経験を有する機構
においても,法科大学院の評価を実施していく必要がある。」と整理しており
ます。
 9ページにまいりまして,法科大学院の評価方法でございますすけれど,こ
れにつきましては,?の最後に書いておりますが,「別途組織される「法科大
学院の認証評価の在り方に関する検討会議」において,評価基準をはじめとす
る具体的な評価方法等について検討する。」としておりまして,その関係の資
料が資料7−3でございます。すでに「法科大学院の認証評価に関する検討会
議」を設置いたしまして,2枚目にその委員の名簿を付けさせていただいてお
りまして,佐々木委員を座長といたしまして,2月7日に第1回の会議を開催
し,法科大学院の評価について検討を開始したところでございます。この中に
は法曹関係者もメンバーとして入っていただいております。
 それから?が「国立大学法人の評価」についてでございます。国立大学法人
の評価につきましては,昨年の3月に国立大学の法人化検討会議の報告が出て
おりますけれど,基本的にはその報告に沿って制度設計を行っていくというこ
とで,「(基本的な考え方)」の2番目の丸のところについては,先ほどご説
明いたしましたが,すでに国立大学法人法案に位置付けられており,国立大学
法人の評価については,機構が主として教育研究に関する事項について専門的
な観点から評価を行うということでございます。それから3番目の丸の「評価
の内容」でございますが,評価は各大学ごとに中期目標の達成度について行う
とともに,分野別の研究業績等の水準についても行うということで,中期目標
の達成度と分野別の研究業績等の水準について評価を行うということが昨年3
月の報告に述べられておりますので,その線に沿って制度設計を考えていこう
ということでございます。
 (2)のところで,国立大学法人の評価につきましては,今後設置されます
国立大学法人評価委員会で具体的に検討が行われることとなっておりますので,
この検討会議としては現時点での方向性を示すということで,今後,国立大学
法人評価委員会と調整しながら具体的な在り方を検討していくということでご
ざいます。
 10ページにまいりまして,国立大学法人の評価に当たっても自立性・独立
性を保ちながら実施していくことが重要であり,このことは国立大学法人評価
委員会との関係においても特に配慮すべきであるということが記述されており
ます。
 それから,国立大学法人の評価区分でございますけれど,3月の報告により
ますと目標達成度評価と研究業績等の水準評価を行うということになっており
ます。特に,目標達成度評価につきましては,現在,全学テーマ別評価,分野
別教育評価,分野別研究評価の3区分で行っております評価を目標達成度評価
という形で整理して実施してはどうかということでございます。
 それから,3のところの具体的な実施方法の(1)実施プロセスでございま
すけれど,?のところで,目標達成度評価は平成16年度からすべての大学が
一斉に法人化される予定であるということと,評価結果については次期中期目
標等の内容に反映させる,また,運営交付金の算定にも反映させることになっ
ておりますので,目標達成度評価については全大学一斉に実施せざるを得ない
のではないかということでございます。?のところの具体的なプロセスでござ
いますが,まず各大学において中期目標・中期計画を定めていくことになる訳
でございますが,そういうことも踏まえて機構の示す指針に基づいて目的・目
標を整理していただくということ。それにつきましては平成16年4月以降で
きるだけ早い段階で目的・目標の整理のための指針を示すことが必要であると
しております。具体的な評価方法につきましては基本的には認証評価と同様で
ございますけれども,4〜5段階により判定する。優れた取組や改善点の指摘
を行うということでございます。評価の単位でございますけれども,ここでは,
「評価は内容に応じて,学部・研究科等の基本組織に即して分析等を行い,そ
の結果に基づいて,全学及び学部・研究科等の基本組織ごとに評価項目ごとの
段階の判定を行う方向で,さらに検討する。」としており,これは国立大学法
人評価委員会でどういう評価を求めていくかということにもよると思いますけ
れど,とりあえず全学及び学部・研究科ごとにその段階の判定を行ってはどう
か,という方向で検討してはどうかということでございます。
 (2)の「評価項目」につきましては,認証評価と同様に精選・大綱化を図
っていくということと,国立大学法人の中期目標・中期計画の共通的な記載事
項と同様の評価項目としてはどうかということでございます。
 (3)の「評価基準」につきましては,認証評価と同様にするということ。
 (4)の「評価方法」につきましては,書面調査及び訪問調査により実施す
るということと,特に?のところでございますけれど,国立大学法人の評価に
つきましては一斉に実施しなければいけないということで,一定時期に膨大な
評価作業が予想されるわけでございます。そのために,評価項目・評価基準の
精選を図っていくということと,あらかじめ必要なデータ・情報を蓄積してい
ただきまして,それらを活用していく,また,評価結果のまとめ方の工夫,評
価組織の編成における工夫によって,評価の簡素化を図っていくことが必要不
可欠になってまいります。
 (6)の「その他」のところで,国立大学法人においては,目標達成度評価
と合わせ,同時に機構の認証評価を受けることを希望する場合がございます。
国立大学法人の目標達成度評価につきましては,すべて機構において法律に基
づき実施することになるわけでございますけども,国立大学は学校教育法の規
定に基づきまして認証評価も受けなければいけないということになっておりま
す。その場合は必ずしも機構の認証評価を受ける必要はなく,大学基準協会の
評価を受けてもよいわけですけれど,大学の負担ということを考えますと,機
構の認証評価を受けることを希望する場合も十分考えられるわけでございます
ので,そういう場合につきましては大学の負担を軽減し実施の簡素化を図るた
め,両者の評価において手続きや評価項目など共通化できる部分は共通化する,
一度に目標達成度評価と認証評価を受けられるような仕組み作りをしていって
はどうかということでござます。
 それから12ページの研究業績等の水準評価でございます。現在の分野別研
究評価につきましては,すべての構成員について卓越,優秀,要努力等と判定
を行っているわけでございますけれど,国立大学法人の研究業績等の水準評価
の具体的な実施方法については,これも(2)の?のところで,全分野の評価
時点を揃えるため一斉に実施せざるを得ないのではないかと考えております。
?のところで現在と同じように分野・領域ごとに水準の判定を行い組織ごとに
その状況を明らかにしていく。?のところでピアレビューによって水準を判定
していく。ただ,全大学一斉に実施していくということになりますと,ある程
度簡素化して実施していかなければいけないだろうということで,評価方法に
ついては国際的水準にある優れた研究業績がどの程度存在するか等の観点を中
心として,できるだけ簡素化して実施する。というように整理をしております。
?のところでは,国外のレビューアーの参加についても検討していくというこ
とを併せて記述しております。
 それから,「5 評価スケジュール」でございますけれど,目標達成度評価
と研究業績等の水準評価が今後求められるわけですが,これを同時並行的に実
施するということは,機構にとっても,大学にとっても物理的にも非常に難し
いことから,時期をずらして実施してはどうかということで,目標達成度評価
は6年サイクルの5年目を中心として,研究業績等の水準評価は4年目を中心
として実施してはどうかということでございます。
 13ページの「6 共同利用機関の評価」につきましても同様に,目標達成
度評価につきましては機構の評価を受けるということが義務づけられるわけで
ございますけれど,共同利用機関の評価は基本的に国立大学法人と同様の枠組
みで実施していってはどうかということでございます。
 それから,「? 高等専門学校の評価」につきましても,認証評価が法律上
義務づけられているわけでございますけれど,現在のところ評価機関がござい
ません。そこで機構において実施するかどうかということにつきましては,評
価機関ができるかどうかという状況を見ながら,実施する方向で検討せざるを
得ないのではないかと考えております。(4)のところで,これまで必ずしも
ノウハウがない部分もございますので,本格的な評価に先立ち試行を実施する
必要があるとしております。
 「? 調査研究」につきましては,今後多様な評価を実施しなければいけな
いということで,戦略的な調査研究を推進していくということが記述されてお
ります。
 14ページの「? 評価情報の収集・整理・提供」の(2)のところで,国
立大学法人の評価については一斉実施ということで大変な作業になるわけでご
ざいますけれど,あらかじめ評価に必要な情報・データを提示をいたしまして,
その収集・蓄積を促していくことが必要である。その評価・情報データの中で
基本的なものについては,毎年度各大学から機構に共通フォーマットによって
提出していただきまして,それを分析・整理して各大学が利用しやすいような
形で情報提供ができるシステムを構築していき,それを最終的な目標達成度評
価等に生かしていく,というようなことを考えていく必要があるということで
ございます。
 「? その他」のところで,1では現行の試行的評価の総合的な検証の実施
ということ。2として評価担当者の研修については大幅に充実させることが必
要であるということ。3の業務体制については今後新たな業務が増えてきます
ので,事業の実施状況に応じた組織の柔軟な編成ということについても検討す
る必要があるということを記述しております。
 以上が中間まとめの案でございます。

○委員長
 大学評価・学位授与機構の評価事業の今後の在り方に関する検討会議の中間
まとめについて詳しく説明していただきました。本日はこの案についてのご意
見をいただきたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

○ 非常に流動的な中で検討するということで非常に大変だったと思います。
中間まとめであるということでございますので,これからさらに詰められた最
終報告書がでると期待しております。
 ただいまの非常に詳細なご説明を聞きまして,第一印象としては,細かなと
ころはそれぞれ詰められているけれど,非常に大切なところがまだ十分に検討
がなされていないのではないかという感じが否めません。3ページから始まる
今後の評価事業実施の基本的な考え方というのが十分に検討がなされていない
のではないかと,15年度は本格実施をしないという1行でかたづけているけ
れども,それはどういうことか,これをどうするのか,という消極面ではなく,
積極面からどういう方向に向けて日本の大学評価を進めていくかという力強さ
のようなものが感じられませんので,今後の検討でさらに加えていただきたい。
そして,私のような素人にも分かるような報告書にしていただければありがた
いと思っています。以上です。

○ 今のお話しを聞いていて質問をさせていただきたいのですけど,独立行政
法人の評価をするときに目標とか中期計画に沿って評価をするわけですよね,
今回については中期目標というものを文部科学大臣が示すということになると
思うのですけれど,現実的には評価の在り方も形としては非常に大切ですが,
個々の大学の中期目標というのは文部科学省で策定の準備をどのような形で進
めているのかなというのが大きな問題であろうと思うのです。大学を法人とし
て考えると,通常の企業であればそこに経営推進室というようなものがあって,
その中で自分たちのあるべきビジョンというものを練り上げながら中期計画を
作っていくわけですけれど,今回の場合は文部科学省でそれを設定するわけで
すから,各大学と文部科学省とのやりとりを含めてどのように進められている
のかということを質問させていただきたいのですが。

○委員長
 文部科学省の方で一方的に決めるわけではないと思いますがどうでしょうか。

● 中期目標の策定作業につきましては,各大学でまず原案を作ることとなっ
ておりまして,それを基本的には尊重して文部科学大臣が具体的に各大学にお
示しすると,ですから,基本的には各大学が原案を作ることとなっております。
その際に国立大学法人評価委員会の意見を聞いて,各大学で作られた原案を尊
重して各大学に示すという手続きになるのではないかと思います。

○ 基本的にはどのくらいの数の大学から出てくることになるのでしょうか。

● 各大学ごとに作ることとなりますから,89大学ということになります。

○ 7ページの「(2)評価項目」というところの「研究についての評価は」
というところですが,「教育を実施するために必要な研究活動が実施されてい
るかどうかの観点から」というように書いてございますが,そうすると,研究
というのはあくまで教育を実施するために必要だという縛りがあるように読め
るのですが,これについてはどの程度の議論がされているのでしょうかという
のが第1点です。
 その次の,2行先に「将来にわたって教育活動を継続できる経営・財政基盤
を有している」とございますけれど,法案を拝見すると財政問題というのは別
の機構でおやりになるようでございます。それが現在の評価委員会で取り扱え
るのかという疑問がございます。
 それから3点目は,それぞれの大学が中期目標を掲げると,当然目標の内容
によりますが,あるところに偏りがでる,つまり資源をあるところに集中して
いかないといい結果が出せないという問題が出てくるのではないか。そうした
場合,どこの大学でも気にされると思うのですが,最低限の条件の設定次第で
は一番下の評価がある部分について出てしまうと言うことが起こりうる,そう
した場合それをどうやって手当てするのか,そこまで踏み込んで大学評価委員
会の評価ができるのか,という3点について知りたいと思うのですが。

● まず2点についてご説明をさせていただきますが,これは7ページについ
ては認証評価についての記述でございまして,国・公・私立大学すべてを対象
にするということで,どういう評価項目にするかというのは検討会議でも色々
なご意見がございました。現在機構が行っているような研究評価をすべての大
学で必須の項目で行ってよいのか,というような議論もございましたけれど,
すべての私立大学も対象とするということから必須項目については教育を中心
として行っていってはどうかということで,研究については適切な教育を実施
するために必要な活動が実施されているかどうかという観点から行ってはどう
かということです。ただ現在行っている研究評価については,大学の要請によ
って選択項目として,?にございますような研究評価については選択的な項目
としてはどうかということで,検討会議では合意ができているということでご
ざいます。
 管理運営につきましては,国立大学法人については国立大学法人評価委員会
が管理運営面について評価を行い,機構は教育研究面の評価についてのみ行う
ことで法律が整備されておりますけれど,認証評価については別でございまし
て,認証評価につきましては,法律上に教育及び研究,組織,運営,施設設備
というような全体的な状況について評価を実施するということになっておりま
すので,組織運営面の評価も必須で行わなければならいこととなっているもの
ですから,機構では財政運営についてのノウハウは持っておりませんけれど,
最低限教育活動を継続できるだけの基盤があるかどうかということを評価せざ
るを得ないことからこのように整理されているわけでございます。
 質問の3点目はどのような内容でしょうか。

○ 質問の3点目は,中期目標を立てますと,目標の内容にもよりけりですけ
れど,具体的であればあるほど,人的にも財政的にもある分野に資源を集中し
なければならないことが起こりうるのではないか,そうすると別のところが機
関内では非常に手薄になり,その部分の評価については一番最低のランクがで
る可能性でてくるのではないかと思われるが,そのあたりはどのようにお考え
になっているか疑問に思ったわけです。

● その辺は各国立大学法人でどのような目的・目標を掲げていくかによると
思われますが,たぶん各大学ではある程度標準的な目標にプラスして特性を考
慮する目標となる可能性がございます。ある標準的な部分については機構で評
価基準を定めることとなっておりますので,ある程度見ることができると思い
ますが,基本的には各大学が定める目的・目標をどのくらい達成したのかとい
うことを評価していくこととなります。

○ 十分に読み込んでいませんが,拝見する限りでは,認証評価と独立法人評
価と基本的に違うものを一緒の記述で議論しているので,かなり判りにくい。
 基本的に違うはずだと思うのですが,それは,独立法人評価というものは,
大学サイドは選択権がない義務として課せられる項目であり,費用はシステム
の中で賄われるものだと思う。認証評価の方は,全く性格が違うものではない
のか。2つの種類の評価が1つの文章の中で議論されているので,かなり誤解
を受けられるのではないかと心配を思っています。

● 認証評価の方は,法律で決まってしまったので受けないといけない。JA
BEEのようなアクレディテーションと違うものであり,私どもの方ではリソ
ースの関係で随分と直したつもりです。最初は国立大学だけを考えると国立大
学は,独立法人評価を受けないといけない,かつ認証評価も受けないといけな
い。その国立大学が機構に認証評価をやってくれと言ってきた場合,2つの評
価を別々に受けるのは大変だろうと,ですから,まったく同じとは言えないが,
同じにできるところは,なるべく同じにしたいという思いがある。そこが当初
の中間報告から2つくらい前のバージョンでは,そこのところが強すぎて,検
討委員会でもご指摘を受けましたので,かなり後退はさせているが,ご指摘の
ような問題は残っております。
 認証評価を具体的にどうやるか,その評価の方法や評価基準をまず考えて,
そしてその結果国立大学法人評価との評価とダブりがあるかどうかチェックを
しないといけない。そういうステップになるだろう。

○ 複数の認証機関とあったが,これの具体的なイメージが判らない。費用に
ついてのイコールフィッティングという話もありましたが,そのあたりは,具
体的にはどんなイメージをもたれていますでしょうか。

● 考えられておりますのは,日本の中にできるだけ多くの認証評価機関を作
ろうと,つまり平成10年に出ました大学審議会での答申のもっとも目指すと
ころが,多様な大学,個性のある大学を作ろうということで,1つの認証評価
機関から評価を受けることは健全な姿ではないということですから,できるだ
け認証評価機関を作ろうとそういうポリシーがあるわけでございます。今の状
態を考えると,文章にありますように機構は当然やらないといけない。また,
大学基準協会,あと私立大学協会がお作りになろうと聞いておりますので,こ
の3つの認証評価機関が考えられております。その点で複数ということが出て
きております。あるいは増えるかもしれません。

● 1点補足をさせていただきます。認証評価という言葉は非常に誤解を受け
やすい言葉で,単にこれは,文部科学大臣の認証を受けた評価機関による評価
ということで,必ずしもアメリカのアクレディテーションのような適格認定で
なければいけないわけではございません。
 法律上は,単に教育と研究の総合的な状況について評価を受けるということ
しか書いていません。その教育と研究の総合的な状況について評価をするのが
法律上の認証評価の定義で,それぞれの機関が定める評価基準に基づいて教育
と研究について総合的に評価をすることだけが法律で決まっているわけでござ
います。その中でどんな評価を行っていくのかは,それぞれの評価機関で考え
ていくことなので,この案は,これまで行ってきたように目的・目標に即して
どの程度貢献しているのか,また達成しているのかということを評価していく
方法で認証評価を行っていくことにしてはどうかとなっております。
 先ほど申し上げた国際的な通用力の関係で最低限やはり,質の保証はしない
といけない。そのような機能も現在の評価に付加しないといけないのではない
かと思います。

● 先ほどのご指摘ですが,それは私どもとしては,苦しいところがあります。
今まで行ってきた試行の評価については,かなり独自性を出して大学の教育と
研究の質の向上という大前提は立てやすかったのですが,今度は,国立大学法
人評価は国立大学法人評価委員会が,機構の行う研究と教育の評価については,
尊重していただけると思いますが,おそらく微妙な関係になっていくと思われ
ます。いわば,今までと違って受け身の形になるとういうのが1点あげられま
す。
 もう一つは,認証評価に関しては,法律が決まって機構は,ガイドラインが,
まだできてはいないが,認証評価機関として評価基準を作って評価の業務をや
らされるということがございます。そういうことから,今までのような日本の
大学をどのようにするかなどのフィロソフィーが出しにくいことがあるので,
困っております。そのあたり今後,高等教育を取りまくセクターをどう考える
かということではないのでしょうか。

○ 作成に関わり内容的には色々と整理したつもりですが,書き方がうまくな
い点もございました。今の点は4ページで注意しているのですが,内容的には,
「・・・・現行方式による平成15年度からの本格実施は行わない。」の下に
今までの目的・目標に即した評価や個性の尊重,社会の貢献や社会の支持を得
ること等は継続していくし,5ページからの基本的な方法とかは試行期間にや
ってきたことが生かされた形で内容を書いているが,文章が「本格実施は行わ
ない」と切れているため,この文章を読むと行わないのかという印象をもたれ
ることになりますが,内容的にはそのようにはなっていません。いわゆる,そ
のまま実施は行わないということであって,もっと書き方を注意しないといけ
ないと思います。その意味で5ページからは,目的・目標に即した評価やピア
レビューを基にする等を継続していき,発展させていくことを記載しており,
この蓄積が認証評価にも使えるものだと認識しております。
 今,事務局から説明があったように,認証評価というものが,認証する評価
というふうに捉えられておりますが,法律の主旨からいって,そのようなもの
ではなくて,大学は,法律に基づく評価になるが,それを客観的に担保する評
価,これは,いわゆる大学の教育と研究の向上ためにあるという主旨が貫かれ
ているので,今まで試行で行ってきた評価は,認証評価に発展させることがで
きると思います。独立行政法人評価になると,さらに限定がかかってくる。目
標に基づく評価ということなので,その意味での共通性は非常に高いため,こ
のことも生かしていけると考えておりますが,色々と整理していかないといけ
ない点が多いと思います。
 もう一つは,認証評価のことで,法科大学院の問題は別の検討委員会で諮っ
ておりますが,この後の経験で書き方がこのように読めないということを経験
していることと,また認証評価の場合,基準をもって評価する概念が強く出て
きますので,そのあたりの著し方がうまくいっていない。一方で,7ページに
評価基準という言葉が出てきて,この部分が今まで書かれたことがひっくり返
って書かれた形になってしまう。内容を見てもらうと,(3)の?で「・・・
このため評価基準には,評価項目及びその構成要素に係る分析の観点等を記載
する」とありますが,評価項目の前に書かれていることなどは,今までのいき
さつでこのようになっていますが,評価基準というものを意識して,認証評価
というものを整理し直すというものも事実でありまして,そういった点で書き
表し方が不足している点があると思います。特に4ページの「15年度からは
行わない」というのは,説明不足になっていると思い,発言させていただきま
した。

○ これまで行ってきた評価との大きな違いは,基準をもって評価することと
いうのは確かですよね。今までは,大学の目的・目標を利用して評価する,し
かし,今度はある程度客観的な評価基準を持って評価するということなのでし
ょうか。

○ 基準という意味は2通りあって,基準がある場合,まずどういう面をみる
のかという大きな観点があります。これも基準といって,このことは,機構も
持っており,要するに項目設定や観点も一般的なものを示しており,もしもこ
れが,各組織の目的・目標に合わなければ,使わなくてもいい。程度に関して
は,各組織の目的・目標からみています。認証評価の場合は,基準の程度にお
いて,最低の部分はみておかないといけないことが入ってきているということ
です。

○ 教育と研究においても,そのような認証評価が行われるということなので
しょうか。先ほどの話ですと,教育と研究に関しては,この大学評価委員会が
一応やることになるというご説明をされたが,この上に評価委員会を新しくつ
くり,そこが新しく認証評価ということになれば,教育と研究も原理に基づい
た評価が行われることですか。

● 今2つが一緒になっているようだ。私どもの教育と研究の評価をやって,
国立大学法人評価委員会が尊重するというは,あくまでも法人評価の話であっ
て,今,議論になっているのは認証評価,アクレディテーションといってはい
けないかもしれませんが,アクレディテーション的な評価の話が2つ一緒にな
っている。アクレディテーション的な評価は,主に教育を評価しようと,つま
り多様な大学があるため,研究と一緒に評価されては,迷惑だという組織もあ
るかもしれませんので,教育だけを評価していくと。ただし,教育を評価する
といっても,財政が教育をやる上できちんと成り立っているとか,研究が教育
をやる上できちんと行われているかということは,評価しようと。
 
○委員長
 おそらく,私学の中には,そういうやり方に意見があるところがかなりある
と思います。そのあたりについてはどう思っていらしゃるのか。

● 意見があるとは?

○委員長
 例えば,研究評価を捨てるとかは。

● はっきりとこの検討委員会で私学の関係者から今の機構の考え方は良いと,
教育を通して評価することは,私学にとってはありがたいことだというか望ま
しいことだというご発言が度々出ております。ですから,教育と研究を一緒に
評価されては困るとか,別に困るとは仰られないが,財政とかを教育とは別の
観点で評価されるのは困るというご発言は,かなり出ております。

○委員長
 研究・教育の評価を,機構で行う評価のやり方と違った原理になるかならな
いかが,やや微妙な問題ですね。

● そこのところは,議論して工夫する必要があるかと思います。ただ,説明
があったように,これまでの国立大学法人評価については,今までの経験が相
当生かせるだろうと。認証評価についても,我々としては申し上げましたよう
に,基準というものを持っておりますから,それを認証評価の方にも使えるの
ではないか,詳しくはもっとデザインしないと判りませんが。

○ 確認ですけど,先ほど,事務局の方から,評価機関があればあるほどにと
いうことなのか,複数あるほど好ましいと,その前例になっているのは,それ
ぞれの機関の観点が違うということでしょうか。

● そういうこともあるでしょうね。非常に微妙な問題もたくさんありまして,
基準協会は現在メンバーは,国立大学,公立大学,私立大学と多様になってい
る。私どもが認証機関として名乗りあげた場合,国立大学の評価が私どもの方
へ全部出されても,社会的には非常に不健全な状態になるということもござい
ます。基準協会というきちんしたものもあるので,認証評価も申し出る国立大
学もないと困ると,そのあたりの将来の姿が非常に難しいく,予想が難しいん
ですね。理想的な姿は書けますが,逆にですね,私どもの認証評価に私立大学
が1校も評価が来なければ,どういう状況になるか,そこも問題がございます。

○ 認証評価機関が複数ということは,原型は,もともと規制改革の話も混ざ
っていて,よく株式会社でもいいのではないかなどの色々な議論がありました。
また観点の違う評価をすることもあってもいいと,また事務局から説明があっ
たように大学基準協会と私立大学協会をベースに評価機関が生まれようとして
おります。また短期大学に関しては,短期大学協会というのがすでにありまし
て,認証評価機関を目指して今色々とやっております。その意味では,機構は
今は試行期間なので,主として国立の短期大学もないので,短期大学をはずし
て大学の評価をやってきているが,法令上は短期大学の評価をやらないといけ
ない。その意味で短期大学も含めて考える必要がございます。
 あともう一つ別の検討になっている法科大学院の認証評価については,先ほ
どの事務局からの説明は,一般の機関評価のことでございますが,この法科大
学院に関しては,適格認定も必要になっておりまして,縛りがきつい評価もし
なさいと,このあたりも大学基準協会の方でも準備されている。逆に機構の方
は,他の機関がなかったら,準備せざるを得ないので用意をしています。日弁
連の方でも用意があると聞いているので,複数の評価機関ができるでしょう。

○ 私は,お話を伺えば伺うほど,なんで機構は認証評価を行うべきなのか全
くわかりません。逆に基準協会や日弁連がやろうとしているところに委ねては
いけないのか,なんで共存する必要があるのか,しかも,定期的にイコールフ
ィットするのは不可能ではないか,矛盾がひたすら増えてしまうように感じて
おります。この議論をされている過程においては,この話はありませんでした。
とりえは,国がこの第3者評価をやるべきだと,まだ体制ができてないが,や
れるところはやりますと,ミニマムの最後のネットを作っておかないといけな
いので,その役を機構に与えているという性格のものなのか,いかがなもので
しょうか。

● おそらく,文部科学省の意向と言いますか,国の意向は,堰を切ったよう
になってくると思うので,基準協会は,実績があるのですが,やはり国が率先
して先ずはやるべきだろう考えているのではないかと思っています。
 それと複数の評価機関のことが先ほどから話題に出ていますが,複数,複数
というのは格好はいいのですが,とどのつまりは必ず,順序というか社会的な
ステルスが掛かってきてしまう。アメリカを見れば明らかのように,リージョ
ナル・アクレディテーション・ソサイティというのが圧倒的に上位の階層にい
るわけで,複数,評価機関が出てくるのはいいが,そういった社会的な階層の
ついた場合はどうなるのか,そのところは,私は非常に気にしているのですが。
 それから,イコールフィッティングができるのかというのも重大な問題です
ね。余談ですが,基準協会の会長しておりました時に母数評価は,必ず第3者
評価がやってくるということで基準協会でやろうではないかといいました。英
国の状況をみて,大体職員の数も10倍いるといったら,一発で拒否されまし
た。

○ 2つのことを申し上げたいのですが,1つは認証評価が必要か否かという
問題です。中教審の将来構想部会で議論しているのですが,この問題は,先ほ
ど,事務局からご説明がありましたけど,認証評価という言葉使いが非常にミ
スリーディングだということに尽きると思うのです。つまり,機構による評価
は普通に行う。評価する機関を一定の基準を満たしているかどうかについて審
査してそれをオーソライズするというのが認証という制度ですね。評価自身が
認証評価ではない。だから機構が今までやってきた評価をこれからも行ってい
くと。機構がそういう認証を受けるかどうか,機構が希望するかどうかである
が,私はオーソライズされた機関として評価した方が良いと思うのです。色々
な点で,評価を受ける大学にとってはメリットがあるので,やはり機構として
は認証を受けた上で評価をすることが望ましい。そのことが評価の内容等に影
響することは全くないわけですから,私は認証を受けて,今と同じように評価
をすることが望ましいのではないかと思っております。それが第1点。
 それから第2点が,最初に私が発言したのが,基本的な考え方について,書
き方が悪いというふうに捉えられたとすれば,書き方ではなくて,内容をもっ
と詰めて欲しいという意味なのです。
 4ページの上から3段目の「したがって」というあたりの文章も機構は,社
会的要請の強い多様な評価機関として積極的に対応していくことが必要である
と書いているが,どういうふうに積極的に対応していくかが問われているので,
ただ積極的に対応していく必要があると,そのために必要な体制整備が図る必
要があるというだけでは,基本的な考えになっていない。だからその後の「1
5年度からの本格的実施は行わない」という文章が非常にきつく浮き上がって
くるということになる。もう少し機構が今後,日本の大学の質を向上する機関
として育ってくるとしたら,現在,なぜ,大学がそういったことを問われてい
るかをもう少し立ち入って記述をしていただきたい。現在,文部科学省の考え
方は規制緩和を受けまして,設置基準の方は限りなく入り口は緩やかにして,
大学院などができた後の質の向上を継続的にチェックしていこうとそういった
考えである。先ほどから事務局からも仰っているように評価機関がお互いに競
い合って,大学の質を向上させるように,評価機関は,そのお手伝いをするよ
うにそういう立場であると。評価機関,特に大学評価・学位授与機構が必要と
なり,どういうことをすべきかというところが,大きな太いパイプラインとし
てきちんと書かれておれば,すらっと読めるところが,かなり技術的なところ
にポンと入ってきているので,私にはちょっと判りにくい。

○委員長
 ちょっとお伺いしたいのですが,中間まとめについて,ご議論していただい
たのですが,まだこういう機会がございますか。つまりこの次に予定が入って
いるのは5月末ですよね。

● ございます。

○委員長
 今日は,これからの評価の在り方について,かなり重要な意見もいただいて
おりますので,これを検討会議でどこまでいかせるかは,これからの問題であ
ると思われますが,我々のこの問題を考えていく必要があるわけで,今後も各
委員から積極的な意見をいただきたいと思います。本日は一応,時間が予定し
ているところまできましたので,この議題については本日はこここまでにして
おきます。よろしいでしょうか。
 次回の本委員会は,5月下旬頃を予定しているということですので,詳細に
ついては,事務局からお知らせいたします。以上で本日の大学評価委員会は閉
会とさせていただきます。


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