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               第20回大学評価委員会議事録

1 日  時  平成15年5月27日(火)10:30〜13:00

2 場  所  学術総合センター 11階 1113・1114会議室

3 出 席 者  
 (委 員) 青山(佳),青山(善),阿部,磯部,内永,岡澤,加藤,佐藤,清水,杉山,鈴木(昭),
       鈴木(清),鈴木(賢),舘,外村,田中,徳田,中島,西野,蓮見,マルクス,本庶,
       山野井,山本,吉田の各委員
 (事務局) 木村機構長,荒船副機構長,福島副機構長,川口評価研究部長,栗城管理部長,
       馬場評価事業部長 他

4 前回の議事録の確認
 前回の議事録を確定版として配付した。

5 議  題
 (1)平成14年度着手の大学評価に係る専門委員及び評価員の選考について
 (2)平成14年度着手の評価に係る目的及び目標に関する事前調査結果について
 (3)全学テーマ別評価における自己評価実施要項等の変更について
 (4)平成13年度着手の評価に対する対象機関等からの意見と今後の評価事業の在り方について

6 議  事 (○:委員,●:事務局)
○委員長 ただいまから「大学評価委員会」を開催したいと思います。

○委員長 早速,議事に入りたいと思います。本日は,日程に記載されております4つの案件についてご
 審議いただきたいと思います。


(1)平成14年度着手の大学評価に係る専門委員及び評価員の選考について

○委員長 まず最初に,平成14年度着手の大学評価に係る専門委員及び評価員の選考について,ご審議
 をお願いしたいと思います。
  初めに,評価員の選考について,専門委員等選考委員会における選考結果を,選考委員長からご報告
 お願いします。

○ それでは,評価員の選考について,ご報告申し上げます。お手元の資料に沿って概略をお話しいたし
 ます。
  資料2の「大学評価委員会評価員の選考について」に概ね内容が記されておりますが,平成14年度着
 手の大学評価に係る評価員の選考については,去る4月の25日,28日,30日に,専門委員会等選考委員
 会を開催し,全学テーマ別評価及び分野別評価の各評価員の候補者を選出いたしました。その選考結果
 及び状況についてご報告をいたします。なお,一部の候補者については,内諾を得られずに新たな候補
 者を選出しなければならない,あるいは連絡がとれない等によって,内諾を得られていない方もありま
 すが,機構の方から引き続き連絡をとっている状況であります。これらを含めてご対処いただきたいと
 考えております。
  まず最初に,推薦依頼をいたしました関係団体等からの推薦状況についてご報告申し上げます。資料
 3「平成14年度着手の大学評価委員会評価員の推薦者数及び候補者数の状況について」に示されてお
 りますように,全体で延べ1,225人のご推薦をいただきました。この中から,同じく配付資料3の後
 ろに付しておりますが,大学評価委員会で既に取り決められております「大学評価委員会専門委員及び
 評価員の選考方針」,「平成14年度着手の大学評価に係る評価員の推薦依頼について」「評価員の構
 成」の諸要素を考慮しながら,257人の候補者を選出いたしております。これらについては,資料5
 −1から6までに記載されております。ただし,資料5−4にありますとおり,「経済学系研究評価」
 においては,候補者数の合計が27名と記載してありますが,現在,候補者が1名未定となっておりま
 す。
  次に,資料が前後して申し訳ございませんが,配付資料の4,「平成14年度着手の大学評価委員会
 評価員候補者のバランス」をご覧ください。
  全学テーマ別評価「国際的な連携及び交流活動」については,大学等の教育研究活動及び大学運営に
 関し,特に当該テーマに関する豊富な経験や高い見識を有する者,または,当該テーマに関し,広くか
 つ高い見識を有し,幅広い実績を有する者であることを踏まえつつ,できるだけ国公立,私立の別,そ
 して性差,年齢構成,地域性,当該テーマを構成する多様な領域等のバランスを考慮して選考しており
 ます。
  評価員構成については,大学関係者が38名,学識経験者8名の計46名。大学関係者の内訳は,国
 立大学17名,公立大学11名,私立大学10名。学識経験者については,国際的関係機関からの選出
 が4名,その他4名です。性差については,男性が36名,女性が10名です。地域のバランスは,北
 海道・東北地区から4名,関東・甲信越地区から26名,東海・北陸地区から3名,近畿地区から4名,
 中国・四国地区から3名,九州地区から6名です。国際性については,22名が海外での勤務経験が豊
 富である等の方々となっております。
  次に,分野別教育・研究評価,特に分野としましては,「人文学系」,「経済学系」,「農学系」,
 「総合科学」ですが,分野別教育評価の評価員については,大学における当該分野の教育活動の運営及
 びその改 革・評価で顕著な実績を有する者,大学の教育活動及びその改革評価の動向について,広く
 かつ見識を有する者であることを踏まえながら,選考いたしました。
  また,分野別研究評価の評価員については,当該分野での顕著な研究活動の実績,さらには研究組織
 の運営面及び研究評価活動で顕著な実績を有する者,大学等の研究活動及びその改革評価の動向につい
 て,広くかつ高い見識を有する者であることを踏まえながら,選考いたしました。できるだけ,国公立,
 私立の別,性差,年齢構成,地域性,当該専門分野を構成する多様な要素等々のバランスを考慮しなが
 ら選考いたしました。
  まず「人文学系」について,教育評価の評価員構成については,当該分野の専門家のみ6名で構成さ
 れております。当該分野専門家の内訳は,国立大学3名,私立大学3名です。これを,性差という観点
 から見ますと,残念ながら男性のみ6名になっております。地域性については,関東・甲信越地区から
 3名,近畿地区から2名,中国・四国地区から1名です。
  同じく,研究評価の評価員構成について,当該分野の専門家のみによって47名です。なお,専門家
 の内訳については,国立大学26名,私立大学19名,その他2名です。性差については,男性38名,
 女性9名。地域性については,北海道・東北地区から1名,関東・甲信越地区から24名,東海・北陸
 地区から3名,近畿地区から13名,中国・四国地区から1名,九州地区から5名となっております。
 国際性という観点から選考いたしました7名の方々については,海外での勤務経験等を勘案した結果で
 す。
  次に,「経済学系」についてご報告をいたします。研究評価の評価員構成については,当該分野の専
 門家のみ27名が選考されております。ただし,そのうちの1名については,先ほど申し上げましたと
 おり,未定となっておりますので,この集計からは除いております。資料5−4の氏名欄に※印がつい
 ている2名の方については,現在内諾がとれておりませんので,機構の方から内諾をいただくべく折衝
 をしていただいております。この「経済学系」の分野の専門家の内訳については,国立大学20名,私
 立大学5名,その他1名です。性差については,男性が23名,女性が3名。地域性については,北海
 道・東北地区から1名,関東・甲信越地区から15名,東海・北陸地区から1名,近畿地区から8名,
 九 州地区から1名です。国際性については,選考されました8名の方々はいずれも海外での勤務経験
 が豊富であるということから選考されております。
  次に,「農学系」についてご報告をいたします。研究評価の評価員構成について,専門家の内訳を申
 し上げますと,総数で68名ですが,国立大学51名,公立大学3名,私立大学7名,その他7名です。
 性差については,男性が67名,女性が1名。地域性については,北海道・東北地区から13名,関東
 ・甲信越地区から23名,東海・北陸地区から8名,近畿地区から10名,中国・四国地区から5名,
 九州地区から9名。なお,国際性の観点から選考されました18名の方々は,海外での勤務経験が豊富
 な方々です。
  最後に,「総合科学」についてご報告をいたします。「総合科学」の評価員構成については,総数で
 専門家のみ63名です。なお,専門家の内訳は,国立大学51名,公立大学4名,私立大学7名,その
 他1名です。性差については,男性が56名,女性が7名。地域性に関しましては,北海道・東北地区
 から4名,関東・甲信越地区から27名,東海・北陸地区から7名,近畿地区から15名,中国・四国
 地区から7名,九州地区から3名です。なお,国際性の観点から選考されました11名の方々について
 は,他の分野でも申し上げましたように,海外での勤務経験等を勘案した結果です。ただし,お手元の
 資料の5−6の氏名欄に※印がついております2名の方については,先ほどの「経済学系」と同じよう
 に現在内諾がとれておりません。したがいまして,機構の方から,内諾をいただくべく折衝をしている
 状態です。
  以上,各分野の選考状況について,ご報告を申し上げます。よろしく,ご審議お願いいたしたいと思
 います。

○委員長 ただいまご説明がありました選考結果について,ご質問,ご意見がございましたらお願いしま
 す。

○ 研究評価ということでかなりご苦労されて,こういう評価員候補者のバランスになっているかと思う
 のですけれども,ほとんどの評価者が大学の教授ということで,特に「経済学系」などでも学識経験者
 の内訳というところは全くないということですが,民間のシンクタンク等も含めて,そういう人材とい
 うのは現実的には難しいことなのでしょうか。特にこの候補者がどうのということではありませんが,
 研究という中で,民間の研究者等も入ってくるともう少し広い評価ができるのではないかと思いますの
 で,意見として申し述べさせていただきます。

○ ただいまの点については,選考の過程では学識経験者を広く選考の対象にいたしました。結果として
 こういう選考になりましたけれども,選考の過程では,特に「経済学系」の分野では,今ご指摘のよう
 に,大学における研究者のみならず広く学識経験者を選ぶべく努力をいたしましたが,ご承諾いただけ
 ないケースが多くありました。今後,この種の評価を行う場合には,ただいまの点は十分に勘案して取
 り組むべきであろうと思います。

○ 何を承認していいのかわからないのですけれども。資料4の選考過程について承認をしてほしいと言
 ってるのか,それとも資料5−1から始まる,その具体的なリスト,それについてまで承認をいただき
 たいのか,どちらでしょうか。

○委員長 全部です。

○ 今,学識経験者等が経済学分野で入ってないというご発言がありました。これを承認しないというこ
 とではありませんが,別の点から発言だけさせていただきます。先ほどのご説明でも,わざわざ性差ま
 でご指摘いただいて,女性が全然いないところは残念だというご発言までいただきましたので特に言う
 までもないことかもしれませんが,例えば農学系の研究評価については男性が67名,女性が1名です。
 分野によって,農学系の研究をしておられる女性の方で適当な方がいらっしゃらないということかもし
 れませんが,女性にそういう場で発言をしていただく活動の場を提供しないでおいて,適当な方がいな
 いというのは,男女共同参画社会においては許されないことではないだろうかと思います。適当な人が
 いないのではなくて,広く探せばいるのではないだろうか。そういう方に積極的に出ていただくという
 ことが必要ではないだろうかというのが,私の考え方でございます。
  それで質問は,推薦母体について書いてありますが,各学会にどういう形で推薦依頼をしているかと
 いうことです。女性は必ず入れてくれとか,そういう推薦をしているのかどうか,依頼についての具体
 的なやり方をご説明いただければと思います。

● それでは,説明させていただきます。
  参考の?Aという資料がございます。ここに,推薦依頼団体の一覧,それから候補者の要件として,候
 補者を推薦するにあたっては,留意事項としてこのような点にご配慮いただきたいということをお願い
 しています。また,学会については,日本学術会議登録団体ということで,人文学系は336団体,経
 済学系は115団体,農学系は156団体に広く候補者の推薦をお願いしているところです。
  また,先ほどご指摘がございました,民間の方があまり見られないということですが,資料の5−4
 「経済学系研究評価」の経営学の中に,商学として,民間の女性の方1名に入っていただいております。
  さらに,資料5−5「農学系研究評価」ですが,2枚目,農学の?Vという区分の下の方に2名,大学
 関係者でない方に入っていただいております。
  それから,資料4のバランスの表をご覧いただきましても,分野別研究評価の「経済学系」のところ
 に,経済団体関係者(2)とありますが,専門委員として学識経験者に入っていただいている状況です。
 確かに人数的にはもう少しご推薦いただければと思うのですが,このような状況でございます。

○委員長 今のお答えでよろしいでしょうか。何かまたご質問ございましたらお願いします。

○ 確かに,候補者に女性を加えるように配慮することというように書いてくださっているのは分かりま
 したが,配慮するでは弱過ぎるのではないかというのが私の気持ちです。今後,何かお考えいただけれ
 ばと思います。

● 評価員の選考については,私どもも大変苦労をいたしております。御推薦をいただくということが前
 提になっておりますので,機構の機関としての意思をあまり強く出さないよう気を付けておりますが,
 今,ご指摘の点について問題があるということは認識いたしましたので,機構独自のネットワークを通
 じて,今のご指摘のようにならないように努力をしております。しかし,なかなか適当な人材が得られ
 ないというのが実状です。それから,特に民間の方は,お声をかけてもお断りになるケースが非常に多
 くなっております。ご指摘いただきました点については,今後,機構で鋭意対処していきたいと考えて
 おりますので,よろしくご協力のほどお願い申し上げます。

○委員長 よろしゅうございますか。推薦を主にしているということは前提なんでしょうけれども,推薦
 のあった段階で機構の側の意見を出して,あるいはその人選をして,全体の調整を図るという道も将来
 はあり得るんじゃないでしょうか。

○ ただいまお話がございましたが,選考の過程で基準となる概念について,性差等々申し上げました。
 それが十分に満たされてない場合には,かなう限り,機構推薦という形で条件を満たしたいと努力いた
 しました。しかし,それでもなお,ただいまご説明ありましたようにお引き受けいただけないというケ
 ースが,特に「経済学系」の分野の場合にはあったことを申し添えておきたいと思います。今後,対応
 を考え直す必要があろうかと思いますが,あくまでもその種の努力をした上でこのような結果になった
 とご理解をいただきたいと思います。

○委員長 何かございますでしょうか。特になければ,選考委員会の原案のとおりお認めいただいたこと
 としたいと思います。よろしいでしょうか。

(異議なし)

○委員長 今後の手続としましては,機構の運営委員会に諮った上で,正式に決定することになりますが,
 先ほど選考委員長からご報告がありましたように,新たに候補者の選出が必要な分野があり,また事前
 に本人の内諾を得ていない候補者については,お引き受けいただけない事態も想定されますので,それ
 らの場合については,委員長に一任させていただきたいと思います。よろしくお願いします。
  それでは続きまして,専門委員の選考について,事務局から配付資料の説明をお願いしたいと思いま
 す。

●事務局(資料説明) それでは,資料の6をご覧いただきたいと存じます。資料6については,専門委
 員について,3つの案件を1つに整理させていただいております。
  まず1点目ですが,専門委員の追加の案件です。14年度着手の大学評価においては,公立大学も対
 象としておりますので,機構の専任教員の中から,公立大学の経験のある方に,全学テーマ別評価の
 「国際的連携及び交流活動」と,分野別教育・研究評価「総合科学」の専門委員会委員として入ってい
 ただいてはいかがかという専門委員会等でのご意見もございまして,お諮りするものでございます。
  それから2点目といたしまして,本評価委員会委員の専門委員会への分属の件です。4月の機構の人
 事異動により,経済学系の教育評価を担当しておりました教員が異動になりましたので,機構の専任教
 員から専門委員に入っていただく必要があろうということで,本評価委員会委員でもある機構の専任教
 員から,経済学系教育評価専門委員会に分属していただきたいという件です。なお分属については,大
 学評価委員会規程によりまして,委員長の指名によるとされているところです。
  それから,資料の4枚目,専門委員の異動の報告です。全学テーマ別評価「国際的な連携及び交流活
 動」の専門委員から,任期半ばで辞任の申し出がありましたので,その欠員補充です。本来ならば,大
 学評価委員会に事前にお諮りして,運営委員会を経て就任されるわけですが,14年度着手の評価が始
 まっている関係で,参考に付しております「やむを得ない理由がある場合には,選考委員会の結果をも
 って選考することができる」という平成13年5月24日付けの取り決めに基づき,既に発令済みであ
 ります。
  以上で説明は終わらさせていただきます。

○委員長 それでは,専門委員の選考について,ご質問,ご意見あればいただきたいと思います。

(異議なし)

○委員長 特になければ,原案のとおりお認めいただいたことにしたいと思います。


(2)平成14年度着手の評価に係る目的及び目標に関する事前調査結果について

○委員長 続きまして,平成14年度着手の評価に係る目的及び目標に関する事前調査の結果について,
 ご審議お願いすることとしたいと思います。初めに事務局から資料の説明をお願いします。

●事務局(資料説明) それではご説明いたします。資料は7−1から8まで枝番をつけておりますが,
 主なものについてのみご説明させていただきたいと存じます。
  資料7については,評価そのものではありませんが,これから自己評価書を提出いただく対象機関に
 おいて,自己評価書の作成に役立てていただきたいということで,事前に目的及び目標に関してのみに
 ついて調査を行い,その状況を取りまとめてフィードバックするということを趣旨として行っているも
 のでございます。
  資料は,全学テーマ別評価と分野別評価の教育・研究評価とにそれぞれ分かれて,8部になっており
 ます。大学及び各機関から報告があった報告書については,事前に各委員にはご覧いただいておりませ
 んが,本日お示しした資料7は,それぞれの専門委員会において,専門の立場から委員のご意見を伺い,
 取りまとめた資料です。
  それでは,7−1について説明させていただきます。「はじめに」ですが,ここには先ほど申し上げ
 た,本事前調査の趣旨が3行ほど書いております。「自己評価書の提出に先立ち,評価の対象となった
 大学及び大学共同利用機関における明確かつ具体的な目的及び目標の整理に役立てるために,評価の前
 提となる目的及び目標について事前調査を実施しました」ということです。
  全学テーマ別評価「国際的な連携及び交流活動」の事前調査については,各大学等において作成され
 る自己評価書の第1章から第3章まで,全体的に自己評価を行っていただくわけですが,この事前調査
 においては,そのうちの第1章,「対象機関の目的・目標について」のみ提出いただいて,目的・目標
 をどのように立てているかということを調べた上で,各大学にフィードバックしたいという趣旨です。
 その中で,対象機関の概要と「目的」,「目標」,「対象となる活動及び目標の分類整理表」という項
 目の状況をフィードバックする構成となっております。この3節に沿って,明確かつ具体的な記述の工
 夫がどのように整理されているかということを分析した上でフィードバックするものですので,一般に
 は公表する趣旨にはなっておりません。したがって,対象大学にのみフィードバックすることとしてお
 ります。
  そういった意味で,4つのポイントになっております。
  1ページでございます。「目的及び目標の整理の意義」ということです。機構の行う評価は,大学等
 の個性や特色が十二分に発揮できるよう,大学等が有する「目的」及び「目標」に即して行います。こ
 のことを本評価に即していえば,国際的な連携及び交流に関する活動のうち,「全学的(全機関的)な
 方針の下に行われている活動」の状況が,「目的」及び「目標」の達成にどの程度貢献しているのか,
 また「目的」及び「目標」で意図した成果がどの程度上がっているのかなどの視点から評価を行うこと
 になっております。従いまして,「目的」及び「目標」は,このような評価を行う上での基準となる重
 要なもので,それらを基準として適正な評価を行い得るような明確かつ具体的に示される必要がありま
 す。ということで,目的・目標の整理の意義がここで謳われております。
  1−2の記述の状況・留意点ですが,2ページ目に整理させていただいております。「国際連携活動」
 の位置づけに関する書き方としては,?@,?A,?Bのような書き方に大体区分,整理されるということで
 す。欄外にありますが,「国際連携活動」の位置づけに関する記述の仕方は,全体として第三者に伝わ
 りやすいものになっているかどうか再確認していただいて,工夫をしてくださいということを言ってお
 ります。
  それから,整理の仕方・状況ですが,「目的」については全体の3分の2程度の大学が3から5程度
 取り上げており,多いところでは10程度の目的を掲げておられるところも見られたということです。
 「目的」については,自己評価書の「活動の実績及び効果」の評価項目で,その達成度を自己評価する
 ことになりますので,必要以上に多い目的が掲げられていると,字数制限の関係から記述が薄められ,
 第三者に伝わらなくなる可能性があるので,その点も配慮してほしいということです。後ほどお諮りし
 ますが,3万字程度で全体をまとめていただくことになっていますので,あまり目的の数が多いと,個
 個の記述が薄められてしまうという状況がございます。
  「目的」の整理の仕方について,以下の5つほどに整理しております。
  「目的」の記述の留意点ということで3ページ目に整理させていただきました。機構の評価における
 「目的」は,その達成度や達成に向けての貢献という点で評価を行うための「評価基準」としての位置
 づけがなされるものであるため,「将来〜したい」,「将来〜をする必要がある」,「将来〜に努める」,
 「〜をしていく」など,将来的に行うこととしている活動の意図や趣旨を整理し記述するものではない
 ということ。また,「何々をした」「何々をしている」など,活動の状況そのものを記述するものでも
 ありません。あくまで,評価の対象とすべき「現在」行っている「国際連携活動」の基本的な方針がど
 の点にあったのか,どのような成果を基本的に得ようとしていたのかという点から整理した記述となる
 ように留意していただきたい,ということです。
  2つ目として,ゴシックのところですが,「目的」があまりに簡潔に記述されるとわかりづらくなる
 場合があります。また,箇条書きされていても,項立てがされていないと,自己評価において,どの
 「目的」の達成に向けての貢献度が検討されているのかわかりづらくなる場合もありますという,目的
 の整理の仕方についても工夫をしていただきたいということを述べております。
  1−3の「目標」の記述の状況と留意点としましては,(1)の第2パラグラフですが,事前調査で
 は 幾つかの大学等において,「目的」と「目標」の対応関係が明確に記述されていない例がありまし
 た。自己評価書では,「活動の実績及び効果」の評価項目において,まず,「目標」の達成度を自己評
 価し,それに基づいて,「目的」の達成に向けての貢献の程度を自己評価することになりますので,
 「目的」と「目標」の対応関係を明確にする必要がありますということで,工夫をしていただきたいと
 述べております。
  留意点として最後に,4ページ目の?Bのところですが,今回の評価においては,「目標」について,
 「成果的(アウトプット・アウトカム的)」なものを中心に整理することが望まれるということを,
 「自己評価実施要項」あるいは説明会資料の「自己評価に関するQ&A」などで示しております。具体
 的には,「活動の実績及び効果」の評価項目において,「目標」の達成度を評価し,その「目標」を達
 成するために必要なインプット・プロセス的な側面としての体制の整備,資源・環境等の確保,効果的
 な内容の選択,効率的な方法の採用などについて,「実施体制」及び「活動の内容及び方法」の評価項
 目で分析するということを想定しております。
  この点から事前調査の結果を見ますと,ほとんど「インプット的」「プロセス的」な側面と思われる
 事項を「目標」として取り上げている大学が見受けられましたが,そのような場合には,「成果的」な
 ものを中心に「目標」を整理することが望まれます。また,「目標」の数を整理される場合には,「イ
 ンプット的」「プロセス的」な事項は,「実施体制」,「活動の内容及び方法」の評価項目の観点・着
 目点として集約されるような工夫が必要です。これらの点を留意点としております。
  それから5ページ目ですが,簡単に説明したいと思います。「対象となる活動及び目標の分類整理表」
 ということで,あらかじめ自己評価実施要項で機構から活動種類の例を示しておりましたが,それに沿
 って活動の分類をされている大学が,下の四角の中を見てもわかるように,多くなっておりますけれど
 も,60大学において独自に「活動の分類」をされている大学も出てきております。
  それから9ページですが,全般的な記述上の留意点ということです。「目的」,「目標」及び「対象
 となる活動及び目標の分類整理表」等の項目,あるいは特記事項については,原文のまま評価報告書に
 掲載し,公表する予定ですので,原文を十分整理してほしいということです。
  「対象機関の概要」では,職員総数の記述がないものや,職員総数としての内訳の記述がないものも
 若干見受けられるということで,留意点をつけさせていただいております。
  それから10ページですが,自己評価書作成に向けての留意点ということで,現在3万字程度という
 活動の分類を記述する際の字数制限がありますが,それを最大5万字程度に緩和をいたしたいというこ
 とです。各大学において,特に個別活動においては,「活動の分類」の中でのいろいろな着目点につい
 て,かなり多い着目点を設けております。そうしますと,1つの着目点を説明するときに字数が足りな
 いということもあり,また,3万字では説明し切れないという声が聞かれたということもありまして,
 最大5万字程度まで字数の制限緩和してはどうかということをここに書いております。この件について
 は,後ほど議題としてお諮りしたいと思っております。
  以上が全学テーマ別評価「国際的な連携及び交流活動」です。以下,7−2から7−8については,
 分野別の評価に関する教育評価,研究評価のものでございます。ほぼ,全学テーマと同じような点で留
 意点を付した形になっております。分野別評価については,教育評価,あるいは研究評価それぞれに異
 なる点はありますが,その「目的」「目標」の記述の仕方は大体全学テーマ別評価と同じような記述に
 なっておりますので,留意点についても大体同じような留意点をつけさせていただいております。
  なお,この資料については,既に各研究評価,教育評価専門委員会において,諸般ご議論をいただい
 て,まとめた資料でございます。
  簡単に説明させていただきました。以上でございます。

○委員長 ただいまご説明ありました,「平成14年度着手の評価に係る目的及び目標に関する事前調査
 結果」について,各委員からご意見を伺うことになりますが,その前に踏まえておく点がございます。
 1つは,この件は,各大学等が目的及び目標を整理する際に役立ててもらうために,自己評価書の提出
 前に各大学等の目的及び目標について事前調査を実施したものであるということです。
  もう一つは,この調査結果は,実際の評価活動を行う各専門委員会において,各大学等から実際に提
 出された「目的及び目標」の記述状況を,配付資料のとおり取りまとめたものであるということです。
  以上の点を踏まえた上で,ご意見をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

○ これは,各大学から事前調査をして,その結果を取りまとめ,各大学にこれから返す原案としてこれ
 でよいかということの承認を求められているのだと思いますが,これを受け取った各大学が,自分のと
 ころが最初に出した目的及び目標等についての書きぶりが,必ずしも機構の要求しているものと違うと
 いうことがきちんとわからないといけないと思うのです。それで,これを各大学に共通に返すのだと思
 いますが,これとは別に,個別的に問題点を指摘することを考えているのか,それとも,全学テーマ別
 評価だと100ぐらいの大学,機関にただ返すだけなのか,その辺のこれからの手続,流れを教えてい
 ただけますか。

● ご質問の件ですが,同じような意見が各専門委員会からもございまして,指摘を受けたのはうちの大
 学ではないのではないか,あるのかどうかわからない,伝わらないということもあって,専門委員会に
 おいては,それぞれの専門委員から出た意見,例えばある大学ではこのようなことがありますとか,留
 意してほしい意見がある場合には,この報告書を返すと同時に,口頭で,個別の大学あてに評価研究部
 の教官から伝えて,趣旨が伝わるようにしてはどうかという意見がありました。また,過去2年間にお
 いて,大学に対して,指摘した事柄が伝わらなかったということもあり,今回は口頭で伝えることとし
 たいと思っています。

○ どうもありがとうございました。

○ 今のご質問のお答えと重なるかもしれないですが,よくわからなかったのでもう一回確認させていだ
 きたいと思います。これを大学のほうに返されますよね。企業の中でもこういったことはよくやるので
 すけれども,よくわからないのです。結局,その専門の人に来てもらって,どういうふうに考えていっ
 て,どんなふうに整理するとこれに合うのかという,一種の教育をやるのですけれども,今のお話です
 と,そういうことをなさるのか,それとも,こちらの大学ではこういった点がよくなかったですよとか,
 こういった点をこうするといいですよということを話そうとなさっていらっしゃるのか,その辺のとこ
 ろがうまく理解ができなかったんですけれども。これだけのことになると,いくら読んでもわからない
 ことがあるので,できたら機構の中でうまく,コンサルテーションというのは言い過ぎかもしれません
 が,教育やコンサルテーションを専門になさる方がいらしてもいいのではないのかと思います。先ほど
 のお答えの内容で,もしかしたら同じことをおっしゃっているのかもしれないのですが,確認をしたく
 て質問させていただきました。

● ただいまのご質問に簡単にお答えさせていただきます。
  先ほどの説明でも申し上げましたように,この2年,2回といいますか,試行を行いまして,幾つか
 問題点がございました。これは,先ほども意見がありましたように,こちらが指摘しても,どこの大学
 だろうかというように,自分の大学だと思ってくださらなかったという経験がございます。
  それで,今回は既に枠組みができて走っており,大幅な変更というのは非常に難しいという部分もあ
 りましたので,このお手元にあります資料の7−1から8まで,例えば7−1の目次をご覧いただきま
 して,このところでも工夫はいたしました。
  大きな変化は,1つはそこの「はじめに」から始まって,4に「自己評価書作成に向けての留意点」
 という題目になっておりますが,これは分野別評価に関しても同様でございますが,昨年まではここの
 部分は「一般的留意点」という題目でした。今回は,それがかなり明確に「自己評価書作成に向けての
 留意点」という標題に変えました。中の文章も,昨年までは機構主導でこうやると言うことは非常に問
 題があるということが強くありましたので,例えば,「こういう改良ができます」とか,そういう表現
 だったのですが,今回はご覧いただきますように,例えば「こういう工夫が必要です」とか,「必要で
 ある」という文章に変えました。
  対象機関に戻す書類の上ではそういう工夫をいたしました上で,今,事務局から申し上げましたよう
 に,そのほかの個々の問題は,機構の評価研究部の教官が中心になり,口頭でそれぞれの大学等にお伝
 えしようと考えております。それで,実際には既に幾つか,2月に行った説明会においでになった代表
 者の方々,あるいはそれぞれの大学の自己評価書作成に関与されている方々から質問を機構の方にいた
 だいております。そういうルートを使えば,こちらの指摘する問題は伝わることを期待して,今回書類
 以外に,口頭でもお伝えすることをしたいと思います。
  今日の委員会が済みましたら機構においでいただいて,いろいろお話するようにアポイントがとれて
 いる大学もあります。今までもご質問に対するお答えも直接戻しておりますし,そのQ&Aをまとめて,
 全大学に配付するような手はずを整えております。

○ わかりました。ただ,仕組みとして,キャラバンみたいにして,教育とかコンサルテーションとかと
 いうことをやるというわけではないと。必要があれば出かけていってお話をするという感じだというふ
 うに理解してよろしいでしょうか。

● こちらから出かけるか,おいでいただくかはそれぞれございますけれども,全学テーマ別評価は対象
 が100以上ございますので,全部対応することは難しいですが,少なくとも分野別評価に関しては何
 らかの形で,コンサルテーションと言っていいかどうかわかりませんが,それに近いことはやるような
 手筈です。

○ ありがとうございます。

○委員長 他にいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

(異議なし)

○委員長 それでは,ご了承いただいたものとして,速やかに各大学等へフィードバックすることにいた
 します。


 (3)全学テーマ別評価における自己評価実施要項等の変更について

○委員長 次に,全学テーマ別評価における評価報告書作成方法等の変更について,ご審議をお願いした
 いと思います。事務局から資料のご説明お願いします。

●事務局(資料説明) それでは,資料8です。全学テーマ別評価「国際的な連携及び交流活動」という
 ことで,先ほども7−1でご説明させていただきましたが,各大学が取り組んでいる活動状況について,
 社会にわかりやすく公表するということもあり,最大3万字で整理することは難しくなってきていると
 いうことが専門委員会の議論でありまして,最大5万字程度まで緩和してはどうかということをお諮り
 するものです。
  具体的には,評価活動分類の単位ごとの観点,着目点について,各大学が自由に設けておりますと,
 それに基づいて評価を行うと今の字数制限では2行ぐらいしか書けないということから,各大学で,そ
 の着目点を絞ると同時に,取り組んでいる内容をしっかりと書いてもらうということもあり,5万字程
 度に緩和してはどうかという提案です。
  それから2つ目としまして,評価報告書イメージについて,評価実施手引書も含めて改正のお願いを
 したいと思います。各大学から提出されます自己評価に基づいて,機構で評価した結果を公表する作業
 に入るわけですが,その評価報告書イメージを要項のほうで示しております。次のページをめくってい
 ただきますと,別紙2に旧バージョンの報告書イメージが書いてあります。ここの点線の枠で囲んだ部
 分を見直してはどうかという提案です。5の「評価項目ごとの評価結果」といたしまして,(1)「実
 施体制」から書き始めますが,(2)「活動の内容及び方法」については6ページ目,(3)「活動の
 実績及び効果」は7ページ目に従来整理をしてきましたが,これを,別紙1の(新)のように,「活動
 分類ごとの評価結果」として整理したらどうかということであります。(1)「教職員等の受入・派遣」
 の中に,それぞれ,「実施体制」あるいは「活動の実績及び効果」等を逆の形に盛り込んではどうかと
 いう提案です。したがいまして,(旧)では,「実施体制」とか「活動の実績及び効果」の評価項目ご
 とに「教職員等の受入れ」とか「教育・学生交流」とか「国際会議等の開催・参画」の状況とかを整理
 いただくようになっておりましたけれども,これを逆転させて,まず「教職員等の受入」とか「教育・
 学生交流」から整理した方が,報告書も整理しやすい,あるいは大学も読みやすいという意見があり,
 このように整理の部分を変えてはどうかという提案でございます。
  以上2点,よろしくお願いします。

○委員長 ただいまご説明がありました件について,ご意見ございましたらお願いします。

(異議なし)

○委員長 特にございませんようですので,自己評価実施要項等の変更について,ご了承いただいたもの
 としたいと思います。


 (4)平成13年度着手の評価に対する対象機関等からの意見と今後の評価事業の在り方について

○委員長 次に,平成13年度着手の大学評価に関する対象機関等からの意見について,事務局からご説
 明いただき,その後,説明のあった意見も参考としながら,少しお時間をいただいて,今後の評価のあ
 り方について,これは前回からの継続でありますが,ご自由に意見を伺うこととしたいと思います。
  まず,事務局からご説明お願いします。

●事務局(資料説明) それでは資料9に基づきまして,ご説明申し上げたいと思います。
  平成13年度着手の大学評価の結果については,3月25日の大学評価委員会でご了承いただいた後,
 26日に記者発表を行ったところです。その記者発表をした新聞報道の状況は,参考資料3に全国紙の
 状況を資料として配らせていただいておりますが,教養教育の,特に教育の効果についての評価結果が
 低かったということで,かなり大きく取り上げられたところです。
  資料9にお戻りいただきまして,3月27日に各対象機関に対して,4月30日を締め切りとして意
 見照会を行ったところ,113機関の中の91機関からご回答がございました。関係団体に対しても同
 様に意見照会を行いましたところ,照会団体16団体のうち,14団体から回答ございました。うち,
 意見なしという団体もあったわけですが,意見のあった団体は,ここに書いてある7団体ということで
 す。国立大学協会からはまだ意見が出されていないという状況です。
  設問内容は,ここに書いてあるとおり,対象機関については,1「13年度着手の大学評価の内容・
 方法等について」,2「大学評価の実施運営面に関することについて」,3「その他」ということで,
 意見照会を行っております。
  主な意見については,2ページ以降に整理をさせていただいております。簡単にご報告をさせていた
 だきますと,まず「大学評価の内容・方法等について」ですが,評価方法等について,総論的な意見と
 しては,「目的・目標に即した大学評価という方針については今後とも堅持することが望まれる」とい
 うような意見。これは8大学からです。その次の○,「大学自身が厳しく自己評価し,自己評価書で積
 極的に改善点を取り上げている場合には厳しい評価結果となっている。もっと改善の努力を含めて評価
 すべきである」というようなご意見は6大学からいただいております。それから,総括的な意見として,
 「総合大学を念頭に置いた評価になっているのではないか」と,特に単科大学等からのご意見ですが,
 「単科大学等の特性にもっと配慮してほしい」というような意見を7大学からいただいております。そ
 れから,「自己評価実施要項がわかりにくい」というのが8大学からいただいた意見です。
  それから?Aの,評価の観点のところですが,「例示された評価の観点は自己評価書の作成に役に立ち,
 平成12年度着手の評価より改善された」というようなご意見もありましたが,その次の○,特に教養
 教育に関して出された意見ですが,今回は例示として「観点例」という形でお示ししたわけですが,
 「全ての観点例を実際の評価に当たって使用したということで,評価が画一化の傾向にあるように思わ
 れる」というようなご意見,「観点例をすべて使うのであれば,あらかじめそのことを明示すべきでは
 なかったか」というようなご意見を15大学からいただいております。また関連いたしまして,「評価
 の観点についてはもう少し自由度を大きくすべきではないか」というようなご意見,それから,「評価
 の観点については,各大学が最低限共通に必要なものをその旨を明示して示すとともに,それに加えて
 各大学で独自の観点を設定できるようにすべきではないか」というようなご意見もいただいております。
 この点については,14年度着手の評価においては,これらのご意見にも配慮いたしまして,全学テー
 マについては標準的な観点をお示しし,基本的にはその観点を用いますということを自己評価実施要項
 で明記をしており,それ以外については大学で必要な観点を設定してくださいとしております。分野別
 研究評価についても,一般的な観点を示すという形で今回お示しをさせていただいているところです。
  それから根拠資料のところですが,2番目の○,これは6大学からいただいた意見ですが,これも教
 養教育の評価について,新聞報道にも取り上げておりますが,「特に教育の効果について,「分析できな
 い」という判断での低い評価となっているが,自己評価実施要項の公表段階で最低限必要な根拠資料を
 提示すべきではなかったか」というようなご意見。それから,「教育の効果については非常に客観的なデ
 ータを示すのが難しかった」ということで,「機構で検証方法等の開発をして,大学に情報提供してほし
 い」というようなご意見もいただいております。それから,「各大学に共通する必要資料を統一様式で指
 定してもらえば,作業量が減るのではないか」というようなご意見。それから,最後の○ですが,先ほ
 どの議題で,自己評価実施要項の字数制限について緩和をいたしましたが,「自己評価書の字数制限をも
 う少し大きくしてもらえないか」というようなご意見をいただいております。
  それからその次のページ,ヒアリングについての3番目の○ですが,今回の評価ではヒアリングの2
 週間前に書面調査段階の評価案とその確認事項を書面で各対象機関に送付をいたしましたが,それにつ
 いて,「ヒアリングの実施方法が大幅に改善され,円滑に実施された」というようなご意見もありまし
 たが,その次の○,「若干時間不足であった」「もう少し効率的なヒアリングを実施してほしい」とい
 うよ うなご意見もいただいております。
  それから訪問調査については,効果的であるという意見と併せて,「もう少しスケジュールを工夫し
 てほしい」というご意見もございました。
  意見申立てについては,「機構側の対応を評価したい」という意見と,「あまり理解していただけな
 かった」ということで,「もう少し十分ディスカッションをしてほしい」というご意見もございました。
  評価結果については,「もっと具体的な改善点の指摘がほしかった」というご意見,それから評価結
 果の重みづけについて,「もう少しめり張りをつけて大学の特徴を伸ばすような評価をしてほしい」と
 いうご意見も出されております。
  それから2「大学評価の実施運営面に関すること」でございますけれども,スケジュールについて,
 2番目の○が27大学からとかなり多くいただいた意見ですが,ヒアリングの2週間前に確認事項を送
 付をし,それでヒアリングに対応していただきましたが,2週間では短かったということで,「特にそ
 の根拠資料の提出を求める場合については十分な時間的余裕を与えるべきである」というご意見を多く
 の大学からいただいております。この点については,14年度着手の評価において,あらかじめどのよ
 うな根拠資料が必要か確認できるものについては,2週間より以前に根拠資料の提出を求めるというこ
 とで,運用面でその工夫をしていきたいと考えているところでございます。
  それから,(2)「作業負担」でございますけれども,一番下の○で,「評価に係る作業はルーチン
 化することによって負担感も減っていくのではないか」というような意見もございましたが,4ページ
 にまいりまして,自己評価書の作成には膨大な時間と労力を要したということで,「評価作業の定型化
 を図り,負担軽減に努めてほしい」というようなご意見。それから次の○で,「評価項目を精選し,各
 大学の負担軽減に資する工夫をすべきである」というようなご意見も,7大学からいただいたところで
 ございます。
  それから,「評価者の研修の充実等」ということについては,2番目の○ですが,評価者によって評
 価基準や判定にばらつきが見られたということで,「評価者の研修を充実してほしい」というご意見を
 7大学からいただいております。この点については,13年度着手の評価から研修の充実を図ってきた
 ところですが,14年度着手の評価においては,さらにその研修の内容面の充実を図っていきたいと考
 えているところです。
  それから(4)「評価結果の公表方法」ですが,2番目の○については,21大学からとかなり多く
 の大学からいただいた意見ですが,先ほど参考資料3でご覧いただきましたように,新聞報道を見ます
 と,大学が序列化されて,相対評価と誤解されるような報道内容となっているということ,特に教育の
 効果に関する段階ごとの大学の一覧などが新聞でかなり取り上げられておりますので,そういうことで,
 「記者発表の方法について検討すべきである」というご意見を多くの大学からいただいております。
  それから3番目の,上記に含まれない項目ですが,一番上の○と2番目の○は,「今回の機構の評価
 を通して教官の意識が変わってきた」「改革に結びつけようとする機運を生み出す効果につながってい
 る」というようなご意見もございました。それから,「この評価自体のメタ評価を実施してほしい」と
 いうようなご意見。それからその次の○は,今後の新しい評価制度,評価システムを考える際の参考に
 なる意見でございますけれども,「機構自ら独自の評価基準を設定して,その評価基準に沿った水準の
 判定をするという新たな評価方法を開発・確立してほしい」というようなご意見。それから「基本的な
 データによって評価可能な共通した取り組みについては,評価意図の明確化,作業の効率化が求められ
 る。ただ,定型的な判断をすべきではない,各大学独自の取り組みについては評価の多様化と高度化が
 求められる,こういう形でこれらの項目を峻別することによって,めり張りのある評価が可能となるの
 ではないか」というようなご意見。それから評価結果については,「大学を目指す者,あるいは企業の
 関係者などに役に立つフィードバックの方法を考えてほしい」というようなご意見。「国立大学の法人
 化後の評価について,できるだけ早くどのような評価をするのか公表してほしい」というご意見をいた
 だいたところでございます。
  それからその次,5ページ以下は,関係団体からのご意見をそのまま資料として付けさせていただい
 ておりますが,内容的には今ご説明した中にほとんど入っておりますので,また後ほどご覧いただけれ
 ばと思っております。
  以上でございます。

○委員長 それでは,平成13年度着手の大学評価に関する対象機関等からの意見を参考にしながら,今
 後の評価のあり方について,少しお時間をいただいてご意見を伺いたいと思います。
  なお,大学評価事業の今後のあり方についての中間まとめ(案),これは前回の委員会からの引き続
 きですが,本日も参考資料としてお配りしていますので,それも含めてご意見を伺いたいと思います。
 どうぞよろしくお願いします。

○ こういう機会を与えていただいて,大変ありがたく思っております。専門委員が1年数カ月苦労した
 結果,各大学にそれがフィードバックされて,その結果こういう形でいろいろなご意見をいただいたと
 いうことを,今初めてこの資料を見ているんですが,なるほどと思われる点もあるし,反省しなくては
 ならないという点もあります。まだ過渡期的な問題,大学評価は日本において始まったばかりの制度で
 すから,いろいろ,不十分な点もあるけれども,やはりこれを機会に改善の努力をしていくということ
 が必要だと改めて思った次第です。
  それはともかくとして,資料のご説明の中で細かな点をまず質問させていただきますと,2ページ目
 の「評価の観点」の2つ目の○で,「観点例」はすべて使うのであれば,あらかじめそのことを明示す
 べきであるという意見を,これは15大学からいただいたということを先ほど言われました。評価の方
 式は,評価項目が第一段階にあって,2番目が要素,3番目が観点例という3段階になっていたと思い
 ます。その観点例は,観点はこちらから例として出しますけれども,その観点例をすべて使うかどうか
 は各大学に任せられているし,その観点例以外の観点を大学独自に設けて評価を出してくるというのも
 それは自由だということでやったのではないかというふうに思っておりますが,ここでは15大学から,
 観点として示しながら,実際の機構の評価に当たっては,すべての観点例を使用するなど評価が画一的
 な傾向があるという指摘を受けたのは,私としては,どうしてこういう指摘を受けているのか非常に意
 外なのです。専門委員会は7つもありますから,その専門委員会によって違うのかなということも考え
 ますけれども,15大学というかなりたくさんの大学から指摘を受けておりますので,この点について,
 ご説明いただけますでしょうか。

○ 今の点については,15大学ということからわかるように,主に教養教育,これは95件の評価を行
 っておりますが,そこからの指摘だと思います。多少誤解がありまして,観点例は一般的あるいは場合
 によって使うものとして想定して示しておりますが,その項目あるいは要素を判断する上で必要な,例
 えば成績評価法について全く観点がないという場合は観点例を用いて行わざるを得なかったわけです。
 そういう事態を言っておられると思います。手続としては,その項目要素を見る上で必要な観点で,大
 学の示した観点がよければそのまま使いますけれども,不十分な場合は評価者の方で補ったり,整理し
 て使いますと,このことはもともと言ってございます。そのやり方からいって,大学の自己評価で,全
 くその要素を見る上で観点がないという事態がございまして,その場合,観点例をそのまま使っており
 ます。それを受けて,こういうふうに誤解されたと私は思っております。その点,よく説明をしなけれ
 ばいけないと思っておりますけれども,手続上,正しい手続で行われたと認識しております。

○ わかりました。ありがとうございました。

○ 今,総論としてまとめられたものを発表した中で,経済同友会の意見回答にあるように,大学を評価
 する際,教育の効果に対する顧客満足度の把握というような,各大学が顧客である学生や社会の満足度
 をどのように把握し,学校運営に生かしているのかといった視点があってもよいのではないかと思いま
 す。これは,ヒアリングの対象機関の意見のまとめのように,比較的,評価のプロセスの中身そのもの
 が論じられている部分と,経済同友会の方の,むしろもっと社会と大学とのかかわりの中での視点とい
 うような視点があるかと思うのですが,これについてはどのように取り上げられているのでしょうか。
 実際には,このまとめの中には特にここの部分は入っていないかのように思うのですが。

● 経済同友会から,顧客満足度の把握についてということでご意見をいただいたわけなのですが,特に,
 先ほどの評価の観点ということで,学生の授業評価によって教育の成果なども把握すべきであるとか,
 あるいは卒業生,雇用先の企業からアンケート調査をして教育の評価を把握すべきであるということで,
 評価の観点としては私どもとしては既にお示しをしております。けれども,例えば教養教育の効果につ
 いての評価をする際にどういう形でそれを使っていくのかということについて,大学としては,客観的
 にその効果を示すにはどういうようなデータなどを用いたらよいのかは非常に難しかったということで,
 実際はアンケート調査等をしておらず,結局教養教育の効果について十分分析できなかったという結果
 になっていた例がかなりあったということでございます。その辺で,こういうことについては,機構の
 評価の観点には入っていますが,大学はそれに十分対応できなかったということで,教育の効果につい
 ては機構の方でももう少し検証方法とか指標の開発を行ってほしいというご意見として出てきたのでは
 ないかと思っています。

○ これは別に教養課程の問題ではなく,専門分野についても同じような論点は大事かと思います。

○委員長 他にいかがでしょうか。

○ 意見の申立てについて,明らかに2つに分かれていますが,これはイエスといった上の方と下の方と
 どんな比率で,それからなぜこういうふうに分かれたのか,コメントがあったら教えてください。

● その意見申し立てについては,上の方が2大学からいただいた意見で,下の方の,ほとんど理解いた
 だけなかったという同じような趣旨でいただいた意見,4大学からいただいております。基本的には,
 意見の申し立てどおり評価結果を修正した場合は上の意見になっているでしょうし,修正しなかった,
 対応しなかったという場合については下の意見になって,不満を残したということだと思っております。

○ 大学の申立に対して結果を変えたか変えないかという,その違いでこういうふうに出てきたというこ
 とですか。

● 意見申し立てどおり機構として修正したかどうかということで多分,分かれたのではないかと思いま
 す。

○ 大学評価の改善に対する大学側の評価も見られましたし,またその大学評価をしていること自体,大
 学側の改革につながったということで,この大学評価というのは非常に重要であるということがよくわ
 かったと思います。けれども,このご意見もそれぞれごもっともだなと思いますが,私は特に,やはり
 自己評価に基づいているとはいっても,自らに厳しいところが厳しい評価につながり,また甘く自己評
 価しているところがいい評価になってしまうという,この矛盾をどうするかというところは,要検討だ
 と思います。また先ほどの,利用する人たちにとってどうかということも非常に重要で,またそれを利
 用する人たちにどうこの大学評価をアウトプットしていただくかということも,ぜひご検討いただきた
 いと思っております。
  それから1つ伺いたいのは,評価員の選定ということで,この方が非常に重要な役割を示しているん
 だと思いますが,お引き受けいただけない方もいらっしゃると先ほどのご説明にもありました。これは
 いろいろな事情がおありだと思いますが,察するに,本来の研究だとか本来の業務に差し支えがあるか
 らというのも大きな理由になっているんではないかと思うのです。まじめでこの評価委員にふさわしい
 優秀な方であればあるほど,自分の責任を考えると引き受けられないということにつながってしまうの
 ではないかと思うのですが,こういう方たちに対して,あくまでボランティアで評価委員を受けてくだ
 さるということなんですが,この大学評価をやっていただくことに対する,処遇も含めてだと思います
 が,そのことを大学の中で,あるいは企業とか団体の中で,この活動を評価していただくよう,機構か
 ら働きかけていただくことは考えられないのでしょうか。そのような,より優秀な方に評価委員として
 お引き受けいただけるような努力というのが必要なのではないかと思っております。

○委員長 今のご意見について,何か機構のほうからございますでしょうか。

● 大変重要なご指摘だと思っております。特に今試行として行っておりますが,本格的に,例えば全国
 立大学を一斉に行うということになりますと,かなり多数の方に評価者としてお願いすることになって
 きますので,立派な評価者に評価をしてもらうということは非常に重要でございます。それについては,
 先ほどのご意見のように,大学関係者に対して協力を求めていくということも大変重要だと思いますし,
 また,あまり評価者の負担が大き過ぎるということになりますと,なかなか引き受けていただけないと
 いうこともあるものですから,その辺のことを十分考えていかなければいけないだろうというふうに思
 っております。

○委員長 いずれにしても,これは,例えば謝礼とかそういうことを考えても,とてもペイできるような
 ものではないわけですから,結局のところ,大学評価の価値,あるいは尊厳というか,そういうものが
 社会で周知徹底していく,要するにこの評価事業を続けていくということの中で,そこに参画すること
 の意味が明らかになってくれば,断る人も少なくなってくる可能性があるだろうと思うのです。現在の
 段階で,いろいろな面で,まだ評価事業は始まったばかりですから,その意味を十分に周知徹底してい
 ないということがありますので,それは評価事業をこれから進めていき,その位置が明示されてくると,
 やがてそういう心配はなくなるだろうと思いますが,時間がかかると思います。

● 評価者の問題ですが,ご承知のとおり今,独立行政法人が日本中でたくさん生まれまして,この独立
 行政法人が1つ生まれるたびに,必ず評価委員会をつくるという大変なことが日本中で行われておりま
 す。おそらく日本中で評価者を頼まれている方の数は大変なものになっていると思います。それで,一
 度評価をお願いしますと,もうこんな大変なことはやれないということで,辞退される方が随分出てき
 ております。そのうち各省庁の独立行政法人の評価委員の引き受け手がなくなるんではないかと危惧し
 ております。
  それを社会的にどうするかという問題ですが,例えば,JABEEで工学教育の認定をやっています
 が,そのJABEEを立ち上げますときに,アメリカへABETの視察に行きました。それで,評価員
 の手間がどのぐらいかかるか,評価員にどのぐらいの報酬を払えばいいかという質問をしたときに,ア
 メリカ人から笑われたというのです。自分たちの後を継ぐ若い人のために働いてるのであって,その人
 たちに少しでもいい教育環境をつくるために評価作業に従事してるのである。報酬などは考えるべきで
 はないということを言われて,非常に赤面したということです。
  アメリカもそのような考えが全部ではないと思いますけれども,そういう文化といいますか,評価の
 背景がありますので,我が国でもそういう環境が徐々にできてくれば,大変な作業だから引き受けない
 というような,そういうことが少しはなくなるのではないかと思います。しかし,そこに至るまでは,
 委員長がおっしゃったように,相当時間がかかるのではないかと思っております。


○委員長 その他,今後の大学評価事業のあり方についても含めて,ご意見ございましたらお願いします。

○ 意見として3点述べさせていただきたいと思います。
  1つは,評価者の研修の件なんですが,大先生が委員になっておられたり評価員になっておられるも
 のですから,研修という言葉は,事務局としては遠慮して使わない。しかし,そうではなくて,専門委
 員も評価員も初めての経験の方も随分いらっしゃる訳で,やはり研修は受けていただきたいと思うので
 す。
  評価を取りまとめる方がまず研修受けなければ評価できないのではないだろうかと思います。私も勉
 強しますから皆さんも一緒に勉強してくださいということで,研修といっても,教室に集まって何かを
 聞くというのではなくて,昨年の評価をした方の話を聞くとか,評価マニュアルについて徹底的に議論
 をするということによって,大学の実情,他大学の状況もわかってくる。そういうことによって,評価
 というものがどういうものであるかということがわかるプロセスがあると思うのです。それをきちんと
 やっていただく必要がある。
  問題は,評価員として後から加わってくださる方は,初めから議論に入ってないものですから,なか
 なかそれを受けられないわけです。私が個人的に聞いた苦情では,やはり評価者によっては非常に高圧
 的に,大学はこうあるべきだというようなことを言われて,現場との間で少し軋轢が生じたということ
 もありますので,評価とは何たるものか,どういうプロセス,どのように行うかということについて,
 特に現場に行く場合には,そのチームごとに共通の認識を醸成してから行っていかないと,これは長続
 きしないのではないかというのが第1点。研修の充実という点です。
  それから,先ほども公表のことを言われましたけれども,今回のようなマスコミへの取り上げられ方
 は,私としては,やはり困るのではないかと思っております。十分事務局が説明していても,マスコミ
 が,何となく見出しになるような取り上げ方しかしないのかもしれませんけれども,これは努力を積み
 重ねていく以外にないのではないかと思っております。それが第2点。
  それから第3は,これは3月のこの委員会でも私は発言させていただきましたが,各大学の負担が多
 いことは確かで,評価をする側の負担も多い。そこで具体的に,昨年度,つまり平成13年度着手分と,
 それから今着手している平成14年度着手分と比べて,どの点について負担を軽減したか,受けるほう
 がどういう点について負担を軽減したか,あるいは評価するほうについて,どれだけ評価の負担を軽減
 する工夫がなされたかということを,具体的にご指摘いただければ,例えば先ほどのフィードバックに
 ついて,要点,留意点を事細かに書いてあるというのは受ける側に非常に負担の軽減になると思います
 が,そういうことも含めて,どういう負担の軽減について工夫なさったかということを具体的にお話し
 いただければと思います。以上でございます。

● 今ご指摘の1番目と2番目の点についてコメントさせていただきます。
  研修の件については,ただ今のご意見は力強い,私どもを支持してくださるご意見と拝聴いたしまし
 た。実は,私どもの中でも意見が2つに分かれております。大変な数の先生方に評価員,専門委員をお
 願いするという立場,それと私どもとしてはこちらがお願いしてやっていただくという立場でございま
 すので,研修という言葉は使いにくいということで,今,ご指摘がございましたように,どちらかとい
 うと躊躇しながら使っております。ただ,英国の評価機関の方々と話をしますと,とにかく,研修が大
 事なんだということを口酸っぱく言っております。評価をお願いしている先生方も研修という言葉に大
 分お慣れになり始めているように思いますので,私個人としては研修という言葉を積極的に使っていき
 たいと考えております。1点目についてはご指摘のとおりでございます。
  2点目については,私どもとしても非常に困っております。しかし,去年と今年の新聞の扱い方を比
 較していただきますと,随分変わっていることが分かります。マスコミも大分勉強してきまして,目的
 ・目標に応じた評価であるから,横並びの評価は意味がないというようなことを去年は一切書いてくれ
 なかったのですが,今年はメジャーな新聞は大体書いております。
  そういうことで,私どもとしては,とにかくランキングは困るということを,記者のブリーフィング
 の席上でも口酸っぱく言うしか方法がないと思っております。ご指摘の点については十分わきまえて,
 記者会見をやっているつもりでございます。
  ただ,これは,本日マスコミ関係の方もいらっしゃるので申し上げにくいのですが,日本のマスコミ
 の,日本だけじゃないかと思いますが,ひとつの習慣といいますか,そういうことではないかと思いま
 す。どうしてもランキングをしたがるということです。したがってこの点については,ずっと戦いが続
 くのではないかと考えております。
  それから3番目の点についてですが,これは正直申し上げて,定量的といいますか,項目別にどの点
 を13年度に比べて14年度,身軽にしたかということについては,まだお答えできる段階にはなって
 おりませんが,わかる点について,副機構長からお答えさせていただきます。

● 負担の軽減の問題ですが,先ほど,評価の観点ということでお話をさせていただきましたけれども,
 13年度着手までは一般的に想定できる観点と,場合によっては想定できる観点ということで,評価の
 観点をたくさんお示しをしておりました。14年度着手については,精選いたしまして,一般的に想定
 できる観点,あるいは標準的な観点に絞ってお示しをするということで,機構側の示している評価の観
 点に各大学が忠実に従って,かなりたくさんの項目で自己評価をされてきたということもございますの
 で,軽減になっているのではないかと思っております。また,その評価についても,12年度着手,13
 年度着手では,実際に評価を進めながら専門委員会で具体的にどんな評価方法をするのか考えてきたこ
 ともあり,いろいろな面で,例えば水準の判定の方法なども,試行錯誤しながら考えてきたということ
 もありましたが,14年度着手については,その経験がありますので,最初の段階で判定方法,判定の
 目安を提示するということですとか,具体的な評価作業マニュアルなどについても,無駄な仕事をお願
 いしないよう運用面でも配慮していくつもりでございます。評価項目自体は数が変わらないものですか
 ら,大幅な軽減ということにはならないと思いますが,なるべく運用面で軽減できるものについては軽
 減していきたいと思っているところです。

○ 今のお話に少し関連していると思いますが,13年度着手の評価に対するコメントを私も読ませてい
 ただいて,かなりの部分がそうかなという意見もありますし,それから,これは誤解してらっしゃるか
 なというのが幾つかあると思うのですけれども,今,ワークロードをどう軽減するかということでお話
 しいただいたかと思うのですが,せっかくコメントいただいた意見に対して,どういうふうに14年度
 着手の評価の中に反映したのかというのをまとめていただけると,意見を出した方も,こういうふうに
 なったのかとか,これは勘違いだったかなというのがあって,お互いの交流ができると思います。それ
 がないと,多分お作りになるときに非常に努力されたとは思うのですが,受ける側がまたよくわからな
 いというふうになるので,少し手間かもしれないのですが,そういったものをつくっていただけると大
 変助かると思います。

○ 私も基本的には評価員のなり手がどんどんなくなっていくだろうと思います。特にこれは口コミで行
 きますので,ますますそうなると。評価員になることにインセンティブを何らかの形で与えていく必要
 があるだろうと思います。それには,評価機構そのものの社会的な認知度を高めていくという作業と同
 時に,評価作業を行うことが,例えば科研費にアプライするときに評価されていくぐらいの,何か導引
 になるような,プラス評価につながる制度が必要かなというのが一つ。
  それとあと一つ,評価員の作業手順を縮小するために,これは社会科学の場合に必ず議論されるんで
 すが,アカデミックジャーナルに相当スコア化を入れていく必要があると思います。業績が学内の紀要
 しかなく数も少ない人を評価しようとすると,それを詳細に読んでいくという作業になります。ところ
 が片方で,世界的な学会で定評のあるジャーナルで何点か出している人もいる。その人たちのことを自
 動的にスコア化していく作業をしていけば作業は随分簡素化できるのに,アカデミックジャーナルのス
 コア化に対しての抵抗感が強くてなかなか踏み切れない。そのために,出されてきたすべての紀要の抜
 き刷りを読まなければならないというのは違うのではないかという気がします。この作業がずっと継続
 されていくと,評価員はますますなり手がないのではないかという気がします。だから,サイエンティ
 フィックジャーナルのスコア化という作業をどこかで並行して行い,今までやってきた評価と,それを
 スコア化した評価がそれほど不一致がないんだと検証する作業を一度行ってもいいのではないかと思い
 ます。

● 幾つかご意見いただいたので,それに関連してお答えさせていただきたいと思います。
  まず,先ほどもお返事いたしましたけれども,今年度着手分の研修に関しましてこれから自己評価書
 が出てまいります7月末までには,専門委員,評価員も含めて,各分野で研修の機会を設定しておりま
 す。少なくとも全ての担当の方が2回ぐらいは出席いただけるように計画をしております。これは,言
 うは易し行うは難しでございまして,30人の方が同時にそろっていただくというのは多分不可能です。
 したがいまして,機構としては,全ての方が2回出席いただく機械を確保するためには4回か5回を用
 意して,分野別評価では,例えば幾つかの分野を合併してでもやるような形を考えたいと思います。そ
 のときに,先ほどご指摘ありましたように,過去2年間の貴重な経験がございます,いろいろなトラブ
 ルもありましたので,どういう問題が起こったかということも少しまとめて皆さんにご説明するような
 ことを考えております。
  それから負担の件でございますが,これは先ほどの最後のご意見と関連することでございますが,実
 は大学の負担が大きかったという,最大の理由は,それぞれの大学でデータを持っていても,整理され
 てないということだと思います。要するに,自己評価書を書くためのデータとしての形として整理され
 てないということが,おそらく一番大きい原因であると予想されます。ですから今回特に,データがど
 こかにあるはずだ,と言って皆さんが一生懸命探すために非常に時間がかかり,自己評価書に大変な労
 力が必要であった原因はこの点が大きかったのではないかと私どもは考えております。
  それに関しましては,データベースといいますか,評価をするための情報等の整理,こういうデータ
 をお集めいただくとか,あるいはどういうふうに整理していただくかということを,現在,機構の研究
 部の方でまとめております。2月に評価情報データベースシンポジウムを私ども研究部主催で行いまし
 て,90国立大学の方々からご参加をいただいております。そういう議論も始めておりますので,おそ
 らくこれから実際に進んでいくと思います。そういうデータというのは,例えば5年ごとに,そのとき
 に非常に労力を使っても労力のわりには意外に集まらない。ですから,毎年集めるデータ,あるいはそ
 の毎年集めるデータの中で,大学と機構が共有しておくもの,あるいは大学に保存しておいていただく
 もの,その整理をしておけば,かなり負担も軽減されると思います。もちろん評価項目の整理等々ござ
 いますけれども,これはある程度限度がありますし,おそらくそういう自己評価書をきちんと検証して
 いくためには,いくら自己評価書にきれいごとが書いてあっても,それを検証するデータがないと世の
 中は満足してもらえませんので,そういうものをいかに整理しておくかということも,対象機関とも共
 同で作業を進めている段階です。
  それから,最後のご意見の,世の中にある各種データベースを利用するということに関しては,実は
 1年目に実施いたしました理学系の研究評価について,私どもが出した研究評価と,それから論文リス
 ト等々いただいておりますので,それを使ってコマーシャルというか,世の中でアベイラブルなデータ
 ベースを使って,機構の研究部のほうで比較検討を行ってみました。
  分野によって,確かにデータベースが使えてかなり評価に反映されている分野と,ほとんどデータベ
 ースが使い物にならない,あるいはそういうデータベースがない分野がありました。幾つかの分野では,
 そのようなデータベースを使うことによってかなり評価者の方の負担が軽減できるのではないかと思い
 ます。これは分野によってかなり相違がございます。理学系の中でもそうでしたから,私は文系のほう
 はよくわかりませんが,文系になるとそういうデータベースがない分野もありますので,非常に難しい
 部分があるかと思います。できる限りそういうものを利用して,どこまで,評価担当者の方の負担が軽
 減できるか,その調査,研究も進めております。今後,それぞれの研究水準の判定をするときに,分野
 によって,ご指摘のデータベースを有効に使い,あとはピアレビュアーが検証していただくとか,そう
 いうことになる分野があるかと思いますが,これは残念ながら現在,全分野にそれができるという状況
 ではございません。

○ 補足的に申し上げますと,13年度着手で教育学系というのは,教育学部ですが,これは文系,理系,
 芸術,体育,全部あるわけです。それで,今の点を検討しなければいけないということで,5年間の論
 文数がありますが,それを自己申告でオリジナルとかオーバービューとかに分けていただきました。そ
 れから,ピアレビュアーに見ていただいて内容判定をしていただきました。その関連を見たのですが,
 今のお話のように領域によって違うんですが,トータルで言いますと,4段階評価プラス回答しないと
 いう5段階で見ていきますと,大体全体で内容を見て判定していただいたものと,論文数の多さ,これ
 との一致度が44%ぐらいです。領域によって,でこぼこがあります。
  それから,それを今,独立行政法人など,3段階評価が増えていますので,3つにまとめるところを
 探ってみたらば,3段階評価では55%ぐらいが,その論文数と内容判定とが一致するというデータが
 出てきております。けれども,例えばその場合でも,芸術はなかなかうまくいかない。具体的に言いま
 すと,例えば音楽会,発表会をやったということをどう評価するのか。実物はないわけです。その場合,
 発表会に行かなければ駄目で,自分自身のものは記録はとらないう方もいらっしゃいますので,そうい
 ういろいろな問題があります。けれども,少しずつですがそんな形でやっていって,量的な評価と質的
 な定性的な評価,定量,定性両方とも,ある程度関連があるところは簡単にもっていくようにすると。
 それが無理なところはもう定量的は無理,定性的にいくしかしようがないということになると,その辺
 の詰めはおっしゃるように今後の課題でやっていかなければいけないと思っております。

○ 私が一番心配するのは教育評価ですが,これは大学によって目的・目標自身が非常に違っているとい
 うことですから,このマスコミ報道的なことはできるだけ避けるべきであると思います。そこで,一番
 問題は,最後のただし書き,太い字で書いてありますが,マスコミの人は大体これを読まなくて,最後
 の5つのコラムのところだけしか見ないし,そこしかコピーしていかないわけです。ですからこのコラ
 ムの中に,当該大学のというのを面倒でも5回,それぞれ書いていただくというのは意味があるのでは
 ないかと思います。
  というのは,これだけ見ますと,教育目的・目標が十分に達成されているということになると,抽象
 的に何か目的・目標があって,それに対する評価であるともとれるわけです。したがって,各5段階の
 ところに全て,当該大学の教育目的及び目標が十分に達成されているという形での表現になりますと,
 さすがにこれはマスコミも無視できないというのが私の提案でございます。

○ 大学評価の協力が得にくくなっているということが先ほど来指摘されていますけれども,JABEE
 の技術者認定の審査に関してはそういう問題はほとんどないのです。1年間に大体100件ぐらいの審
 査をしています。それから審査員はその数倍ということで,規模からすると,この機構の評価と近いと
 思いますが,評価者の依頼を断られることもなく,また意見もそれほど厳しいものが出ていない。仕組
 みの違いがあるのではないかと思うのですが,JABEEの場合には,学協会がそれぞれ分野ごとに責
 任を持ってその評価に相当する審査をしているということです。
  それで,JABEEでは研修会を過去何回も開いていまして,研修を受けた者でないと審査ができな
 いことになっています。JABEEを支えている20ぐらいの学協会が研修会にそれぞれ協力するばか
 りでなく,全国キャンペーンのようなことを行いまして,受審校に対しての説明なども行ってます。そ
 ういうこともあって,わりと順調にいっていると思うのですが,そもそも,学協会という中間の組織が
 あって,その学協会が産業に資する人材育成ということに大変危機感を持っているということ,そうい
 う背景もあると思うのです。この機構の場合には,機構と評価を受ける大学という関係でしょうけれど
 も,JABEEの場合はその中間の強力な力強いサポート組織があるということが大きな違いではない
 かと思います。

○ 参考資料の4について,今後の機構の在り方にかかわる部分で,これは前回に出されたものと違いが
 あるのであれば,どこが違うのかというのをご説明いただきたいと思います。
  それから,今後,この中間まとめというのがいつごろとれる予定なのかというのが2つ目の問題です。
 それから内容的にはいろいろありますけれども,細かい話はやめまして,一番問題なのは,前回も話が
 出ましたけれども,国立大学法人の評価で9ページ以降のところの,ピークが1年に集中する可能性が
 あるという問題を,先ほどの評価員の確保と含めて,本当に1年で,それでいくつもりなのかどうかと
 いうことはかなり早目に判断をしておかなければいけないと思うので,そのあたりのご説明とご見解を
 お願いいたします。

● この参考資料4は,前回3月25日の大学評価委員会にお配りした資料と全く変わってございません。
 と申しますのは,2月14日に,今後の在り方に関する検討会議で中間まとめ(案)がご審議されまし
 たけれども,それ以降検討会議が開催されておりませんので,資料としてはその前回お示ししたものと
 全く変わってございません。
  その辺の事情についてご説明いたしますと,検討会議の座長ともご相談いたしまして,1つには現在
 評価研究部で,これまでの評価結果に対する評価員とか,あるいは対象機関からの意見を整理をしてい
 ますので,これまでの経験を踏まえて,今後の在り方を検討していきたいということがございます。ま
 た文部科学省において,機構は評価機関として認証を受けることになっておりますが,まだその認証基
 準について,告示されてないということもございます。また,国立大学について,現在国会において国
 立大学法人法案について審議がなされておりますので,その状況についても十分把握した上で具体的な
 修文作業を行っていきたいということもございます。このようなことがございまして,前回から動いて
 おりませんので,これについては前回お示ししたものと変わっておりません。
  それから,中間まとめの「案」がいつとれるかということについては,その辺の状況を踏まえて,検
 討会議を6月から7月ごろに開催することになろうかと思いますので,その際に少なくとも認証評価の
 在り方については,中間まとめとしてまとめられるのではないかと思います。ただ国立大学法人の評価
 については,今年の10月に設置されます国立大学法人評価委員会で評価の基本的な枠組み等について
 審議が行われますので,それとどうやって関係づけていくのか,その状況を見ながら,今後検討してい
 きたいと思っております。
  5年目に一斉にやるかどうかというのも,それとの関係があるわけですが,国立大学法人の評価につ
 いては,次期中期計画に反映させる,あるいは運営費交付金に反映させるということになっているもの
 ですから,各大学の公平性を考えると,5年目に一斉にせざるを得ないのではないかということで,こ
 の案になっているわけです。まさしくこの点については,本当にフィージビリティーがあるのかもっと
 検討したほうがいいのではないかという意見が検討会議において出されていますので,そういうことを
 含めて,今後,具体的にどういう形で5年目にできるのか検討を行いたいと考えているところでござい
 ます。

○委員長 他にいかがでしょうか。
  いろいろご議論いただきましたが,ただいまいただきました意見を踏まえて,平成14年度着手分の
 実際の評価活動を行う際の改善方策や,検討を進めている今後の大学評価の在り方に反映させていきた
 いというふうに考えております。
  今,ご説明ありましたように,この中間まとめについては,6,7月ごろに「案」がとれるというこ
 とですが,その段階でもまたこの委員会でご議論いただく機会があろうかと思います。
  本日の議題は以上でありますが,何か他にご発言があれば伺いたいと思いますが,いかがでしょうか。
  最後に,次回の本委員会ですが,7月または8月に開催するということにしたいと思いますが,具体
 的な日程については,調整の上,事務局からご連絡をすることになると思います。
  以上で,本日の大学評価委員会を閉会いたします。どうもありがとうございました。

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